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久しぶりにどんなに強い酒よりも酔い狂わせてくれる音楽に出会った。その衝撃を与えたのはHIKAGEだ。令和のラウドシーンを牽引するバンドのひとつで、まさに今大きな成長の兆しを見せている。そう思うのは、1stアルバム『True Colors』で自身のスタイルを確立したと感じたことが大きい。以前はラウド、ハードコア、メタルコアの色濃いサウンドを取り入れていたが、本作ではそこにグランジ、オルタナ要素を加えたことで、メロディがより滑らかできれいに流れるようになり、さらには日本語を取り入れたことで歌詞の表現力が増した。それらの要素が絡み合い、独自性が生まれている。本作は彼らの「覚悟」を感じられる“傷”から“WAIT??!!!”までの流れ、続く“Happy”から締めの“Light on”までは、未来に向けた「希望の光」でリスナーを照らしてくれるドラマティックな構成になっていると感じた。そこも含めて今作の完成度は高い。HIKAGEという最強のバンドがこれから残す軌跡を見逃すのは勿体ないと強く思わされる一枚だ。(岩田知大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年11月号より)
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