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2025年=ニコニコイヤーを象徴するEPと言って差し支えないだろう。新曲5曲をノンストップでつないだ本作は、今年リリースされた“想|像”と“G00000W”でも掲げられた創作意欲や勢いがより明確に解放されている。子どもの声を用いたイントロダクションからつなぐミクスチャーナンバー“FLY OUT”では、OCHANが自身の音楽の原点であるギターを初めて同ユニットの楽曲で演奏している。Anabebeの野性的なドラムも含めて、メンバー両名のすべての音楽経験で独自のクリエイティブを追求していくことを高らかに宣言するようだ。そのほか浮遊感と性急なビートのコントラストが感傷性を際立たせるオリエンタルなダンスチューン、台北のラッパーPOPO Jをフィーチャーしたアンニュイなムードと高揚感を兼ね備えたユーモラスでミステリアスな楽曲、シンガーのAkiと共に琴線に触れるメロディを彩るバラードと、異なる魅力を放つ楽曲に共通する精神は「旅立ちと幕開け」。羽化の瞬間のような神秘性が宿る。(沖さやこ)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年11月号より)
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