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海と川、空と宇宙、夏の終わりと秋、嘘と本音、フィクションとノンフィクション、恋愛と熱中。異なるもの同士も実はつながっていて、その境界線は曖昧だ。ニューフェーズを感じさせたEP『青写真は褪せない』から約4ヶ月でリリースされたメジャー2ndフルアルバムは、さらに洗練されたサウンドデザインと巧みな言葉遊びで、様々な狭間を時に揺らめくように往来し、時にそれを大きく飛び越えてゆく。収録曲はラブソングという共通軸を持ちながら、オムニバス映画のように登場人物も舞台も違う様々な物語を包含するだけでなく、楽曲同士のインターバルはドラマチックかつスマートに景色を変える。静かに光る宇宙を想起させる楽曲やアグレッシブなバンドサウンド、打ち込みのトラック、乾いた音が切なくも爽やかに響くポップソングなど、詞世界と音の親和性が以前以上にきめ細やかになったことで楽曲それぞれの没入感が増し、独自性も明確になった。音と詞に宿る軽やかな求心力は、雷のように鮮烈だ。(沖さやこ)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年2月号より)
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