2021年初楽曲は、バンドにとって初のCM曲書き下ろし。WEB CMのテーマである「高校生の日常」と、キャッチコピーの「ふつうって、スーパー最高。」から着想を得て、ソングライターの松本ユウ(Vo・G)が自身の高校時代をもとに制作したポップナンバーだ。
軽快なドラムと情緒深いギターの音色、それらを縫い合わせるようにドラマチックに展開するベースという、3人の朗らかな空気感が瑞々しいアンサンブル。歌詞には放課後の何気ない、だけどふとした瞬間に思い出す、煌めきを持った場面が切り取られる。なかでも《さっき覚えた単語も頭で溶けて/隣で笑う君は優し過ぎて》という2行で、甘酸っぱい情景や心情を一挙に湧き上がらせてしまう表現力に舌を巻いた。思い出や刹那的な美しさを真摯かつナチュラルに描くその姿は、未来に不安を抱きがちな10代の若者たちへ「日常にある小さな幸せが、この先の人生の力になる」とそっと語り掛けるようだ。特に《戻れなくていい 今だけをみて》はこの曲の核心。穏やかで憂いを帯びた歌声が、寂寥感も充実感も抱きしめてくれる。(沖さやこ)
『ROCKIN'ON JAPAN』9月号より