最初からパワー全開。バックチェリー『ヘルバウンド』は、予想以上の快作だ。結成時からの盟友キース・ネルソンは前々作後に去った。後任も前作だけで去り、今回は新たなリード・ギタリストを招いている。
ジョシュ・トッドのソロ・プロジェクトに近くなったわけだが、新作は勢いがあって充実した内容だ。演奏がただハードなだけでなく、メロディアスでキャッチーな曲が多い。2005年の再結成から参加のスティーヴィー・Dとジョシュ、プロデューサーのマーティ・フレデリクセンの共同による曲作りがいい結果を生んだようだ。
”ウェイスティング・ノー・モア・タイム”(もう時間を無駄にしない)に象徴されるようにコロナ禍で活動を制限されたことによるフラストレーションを、制作の燃料として上手く活用できたらしい。バンドのライブを早く観たいと思わせるアルバムだ。(遠藤利明)
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