彼らの楽曲は、何度も聴いて意味や構造を解き明かしたくなるものが多いが、今作は特にそういう衝動にかられた。《非日常に蝕まれた愚かな人生》《真っ赤な/言論の自由を突き刺して》――この混沌の中で、何か前に進むヒントがあるかもしれない、生きる力をもらえるかもしれないと思わずにはいられないから。澄んだ声で突きつけられるのは《今何を諦めてる?/この時代に生まれる、君よ》――彼らが誠実に、剥き身の表現で、私たちに向き合っていることが伝わってくる。
さらに2005年リリースの“CLEVER SLEAZOID”を再構築して新録、そして “Followers”の2020年2月のロンドンでのライブテイクも収録。その歴史やライブから、アートの重みを今一度知ってほしいと強く思う。(高橋美穂)