年明けに思いっきり興奮した来日ニュースが、このポーター・ロビンソン&マデオンの「シェルター・ライヴ・ツアー」であった。順を追って説明すると、この米仏の若きエレクトロニック・ミュージック2大巨頭が共作曲“シェルター”を発表したのは昨年夏のことだ。アニメーションMVの公開を前提に制作され、アニメ原案もポーター・ロビンソンが手掛け、キャラ・デザインに河野恵美を指名したという。さすがジャパニメーション大好き男である。最終的には赤井俊文監督（A-1 Pictures）の指揮のもとヴィデオが完成し、これが素晴らしかった。そして北米各地で繰り広げられてきた「シェルター・ライヴ・ツアー」は、ゼッドやホールジーらにも絶賛される。2月21日の日本公演前にリリースされる本作は、“シェルター”を核に据えた両者の代表曲のコンピレーション盤であり、2人の楽曲がマッシュアップされるというライヴの予習にもうってつけだ。共作曲のコンセプトや曲調でポーター・ロビンソンの比重が大きい分、マデオンは得意のライヴ演奏で大車輪の活躍を見せてくれるだろう。音楽作品の届け方としても、実に斬新でクリエイティヴだ。（小池宏和）