共通言語のビート

東京スカパラダイスオーケストラ『Wake Up! feat. ASIAN KUNG-FU GENERATION』
2014年07月02日発売
SINGLE
東京スカパラダイスオーケストラ Wake Up! feat. ASIAN KUNG-FU GENERATION
2つのバンドは、意外と似たことを考えていたのかもしれない。このシングルを聞いてそう思った。デビュー25周年の東京スカパラダイスオーケストラが取り組んできたバンド・コラボ3部作の最終章である。谷中敦と後藤正文が詞を共作した“Wake Up! feat. ASIAN KUNG-FU GENERATION”は、アジカンをスカパラが包み込んだようなサウンドだ。バンド・コラボ最多の13人での一発録りを2テイクだけやって、最初のほうを選んでこの融合ぶり。脱帽の演奏である。

ゴッチは最近、8ビートで勝負しようぜ、スタンダードなロックをやってみたいと発言している。それに対し、このシングルは相手が相手だから当然、スカ・ビートなのだが、スカパラのほうもこのビートで勝負したいという意識を強くして一連のコラボを行ってきたのではないか。70年代末にイギリスで白人黒人混成スカ・バンドのブームがあって、それが伝わった日本でもこのビートへの親しみが広がった。そのように人種や国境を越えて共通言語になりうるビートを追求したいという思いで、2バンドは共通している。志のある共演だ。(遠藤利明)
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