アンダーワールドの新プロジェクト「Drift」エピソード3が完結! 圧倒的に美しく刺激的なマルチメディア・アートは、さらなる深みへ

アンダーワールドの新プロジェクト「Drift」エピソード3が完結! 圧倒的に美しく刺激的なマルチメディア・アートは、さらなる深みへ

アンダーワールドが現在取り組んでいるマルチ・メディア・プロジェクト「Drift」については以前も紹介した(https://rockinon.com/blog/yogaku/184745)が、そのエピソード3が完結した。彼らも所属するアート集団〈TOMATO〉を拠点として、映像・音楽・ライティングなどをクロスさせながらリアルタイムで進行していくこのプロジェクト、ここでこれまでのエピソードとは異なるムードの展開を見せてきた。本エピソードのタイトルは、『HEART』だ。

まずはリード・トラックとなる“Dune”を。ここまでのリード曲はテンポの速いテクノ・トラックとなっていたが、このトラックはシンセの柔らかい和音の上でカールがアンニュイな歌を聞かせるダウンテンポ。人影が逆光のなか漂う映像とも相まって、10分に及ぶメロウで心地よいトリップを演出する。


続く“Custard Speedtalk”も、リニアで軽やかなリズムのなか、カールの穏やかなボーカルが聞ける歌もの。どこか初期の代表曲“Rez”を思わせる電子音の上モノがきらめくエレクトロニカ・ポップだ。ホリゾンタルに分割された、電車からの風景を映すイメージがなんとも抒情的である。


その後“This Must Be Drum Street”、“Pinetum”とよりダンス・オリエンテッドなトラックが並ぶこととなるが、エピソードを通じてディープかつ、メランコリックなムードが漂っている。ラスト、そこにいくぶんジャジーな色が加わるミドルテンポ・ナンバー“Poet Cat”の映像は、監督のサイモン・テイラーが東京を訪れたときのものを使っているという。「Drift」が「旅」を重要なモチーフとしたプロジェクトは間違いないだろう。


さらなる続きとなるエピソード4は、5月23日よりスタート予定。現在のアンダーワールドだからこそできるこの刺激的な試み、まだまだ注目したい。(木津毅)
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