ロッキング・オン最新号『ジョン・レノン特集』に僕たちが込めたもの───ジョン・レノンが世界で鳴っている
2020.10.05 14:45
もうさすがにジョン・レノンは役割を終えたのではないか、と思っていた。
ジョンの「イマジン(想像してごらん)」というメッセージも、「パワー・トゥー・ザ・ピープル(人々に力を)」という革命思想も、もう何十年にもわたって数多くの人たちを動かしてきたが、今のこのグローバリズムとネットで覆い尽くされた時代の中で、もうさすがにジョン・レノンのメッセージや思想は消費期限が切れているのではないか、と思っていた。
だけど、違った。
去年にグレタ・トゥーンベリのスピーチを聞いた時、今年にブラック・ライヴズ・マターのデモの映像を見た時、僕の頭の中で鳴ったのは「イマジン」であり「パワー・トゥー・ザ・ピープル」だった。ジョン・レノンが50年前に放った革命のメッセージが、この2020年の世界においてまるでデジタル・リマスタリングされた音源のように鮮度高く鳴るのを感じた。
「想像」して「行動」することは、70年代よりも今のほうが遥かに抑圧されている。
その抑圧を打ち破るために立ち上がったグレタやBLMのデモ参加者たち。
ジョン・レノンは「今」だ、と思える。(山崎洋一郎)
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