いつもと変わらないクリープハイプのライブに、
ほんの少しのポジティブな光が差していた。
そして最後には、大きな自信がメンバーを包んでいた。
これまでの彼らの紆余曲折の物語を思うと、やはり感動してしまう。
武道館はやっぱり、どんなバンドにとっても特別な、特別な場になる。
不思議な力のある会場だ。
(唐突ですが)女の子はいろんなことで毎日小さなことで傷ついている。
その傷を引きずったり、忘れたり、傷の扱いも男の子よりもある意味慣れている。
でもやっぱり、女の子はいつも何かに傷ついて小さな血を流している。
それを癒やす歌は世の中にたくさんある。
でも、
「傷つけている男の子も傷ついている女の子も傷つけている女の子も傷ついている男の子も、実は同じ痛みの中にいる」
という不思議な一体感のようなものを、そのせつなさとともに表現できているのはクリープハイプだけだ。
しかもキラキラと、ザクザクと、ポップに。
尾崎世界観のあの甲高い声すら、その表現のための必然だとすら思える。
みんな傷ついて傷つけている。
そのすべてを受け入れた上での言葉と音。
ひねくれて聴こえる彼らの歌は、実は真っ直ぐで大きい。
素晴らしいバンドだ。