パルプ。24年ぶり、そしてさすが!の大傑作『モア』。再々始動の物語、27年ぶりの来日公演への想い、そして、自信満々の新作をジャーヴィス・コッカーが語り尽くす

パルプ。24年ぶり、そしてさすが!の大傑作『モア』。再々始動の物語、27年ぶりの来日公演への想い、そして、自信満々の新作をジャーヴィス・コッカーが語り尽くす

現在発売中のロッキング・オン7月号では、パルプのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。



「僕らのスティーヴ・マッキーが亡くなった。ごく身近な存在を亡くすと、自分の時間は限られていることに気づくんだ。だから、今やるしかないという感じだったね。何かやりたいなら今やれ、と。そして実施にやったというわけさ」


●27年ぶりにあなたたちが来日し、24年ぶりの新作も聴くことができる25年は、我々日本のファンにとって特別な1年になりました。素晴らしい新作の話の前に、まずは1月の来日の感想を聞かせてください。

「この前の日本滞在はかなり特別なものになったね。その理由のひとつとして、お正月の時期に行くのが初めてだったということ。大晦日に東京に着いて、そのままホテルに行って……日本の年末はUKほど大きなパーティをやらないと思うけど、むしろずっと好ましかった。時差ボケだったけど、ホテルのホワイエでちょっとしたバンド演奏をやっていて、それを観たんだ。東京は普段はすごく賑やかだけど、到着した次の日からもとても静かで、おそらくそれぞれの故郷に戻る人が多いんだろうね。元日に神社に行ったのもいい経験だった。あとはライブ後も滞在して大阪で太陽の塔を見に行ったけど素晴らしかったね……いや、すっかり自分の休暇の話をしてしまっているけど。京都へも行ったし、温泉に入る猿を見に行ったりして、君が言ったように日本は本当に長いこと行けていなかったし、僕の妻も一緒で彼女は初めての日本だったこともあって、僕も日本を再発見できて本当に特別な体験だったし、すごく楽しかったね」

●rockin'on sonicでは、パルプのライブを生まれて初めて観た観客も大勢いましたが、久々の日本で未知の観客と対峙しての手応えは?

「よかったよ。というのもあそこに至るまでにかなり長いことやってきていて……始まったのが23年だったからね。2年間やってきたショウの最後が日本だったから、我々にとっても感慨深いものがあった。新しいアルバムを作ったから、今後のショウにはその楽曲も組み込んでいくことになるし、そしたらまたまったく別のものになるからね。それに日本でのコンサートとしてはこれまでで最大の規模だったんじゃないかな。日本でライブをやると言うとオーディエンスはどういう感じなのかっていうのが話題になるし、初来日のときにも『演奏中に、オーディエンスが動くことを期待しない方がいい。彼らはとても礼儀正しいから』と言われた記憶がある。でも、rockin'on sonicの観客はすごく活気があるように見えたから素晴らしかったよ」

●パルプの再結成は11年以来2度目ですが、今回、さらに踏み込んでニューアルバムを作ることになった最大の要因は何だったんでしょう?

「今回のツアーは、まずUKを皮切りにスタートしたんだけど、その前に『Light Falls』という舞台のために書いた曲があって、サイモン・スティーヴンスという素晴らしい劇作家が脚本を書いた作品で、彼に“ザ・ヒム・オブ・ザ・ノース”という曲を依頼されて、自分がそんな大仰なタイトルの曲を書くなんて考えたこともなかったけど、とにかく書いてみたら、その出来にことのほか満足して。それでツアーの弦楽器パートに取り組んでいるときにリチャードに聴かせたら彼も気に入って、この曲のストリングスアレンジを書き始めた。それから、新たな街に到着してサウンドチェックをするたびに、この曲を演奏してアレンジの具合を確かめるようになり、しばらくしてかなり仕上がってきたと思えたから、確かシェフィールド公演の2日目だったかに披露したんだよ。それで新曲を演奏するのが何ともよい気分だったから、ツアーが終わりを迎えたときに、『もっと曲を書けるかどうか、やってみよう』ということになって実際に書いてみた。そしてマネージャーのジャネット・リーを招いて出来た曲を聴いてもらったんだ。彼女はひと通り聴いたあと、『持ち帰って週末にじっくり聴いて月曜日に感想を伝えます』と言った。だからとても長い週末になったよ。そして月曜日に『素晴らしい楽曲群だから、アルバムとしてレコーディングするべきだと思う』と彼女が言ったんだ」

(以下、本誌記事へ続く)



パルプの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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