そのタイトルのとおり、ファンのリクエストをもとに組まれたセットリストは、昔の曲、久しぶりの曲、レアな曲だらけで、もちろん懐かしい気持ちになったりもしたけれど、やっている4人の気分はまったくそういうものではなかった。
鮪も、古賀も、めしだも、こいちゃんも、辿ってきた道と今いる場所を全力で信じて、そこにすべてを賭けて、今鳴らすべき音として大切な曲たちを演奏していた。
KANA-BOONの物語を、ファンのみんなと分かち合い、もう一度みんなの物語として描きなおすような、ポジティブで肯定性に満ちたライブだった。
アンコールでは鮪がまさかの弾き語りを披露。そして最後に演奏されたのは“眠れぬ森の君のため”。一昨年の泉大津フェニックスではある種の答え合わせとして歌われたあの曲が、今日はこれから始まる未来に向かって歌われている感じがした。