グッドモーニングアメリカ、メジャー2ndフルアルバム『inトーキョーシティ』発売まであと6日!
日替わりカウントダウンレヴュー、今日は7曲目“夕暮れ”です。
シングルの“イチ、ニッ、サンでジャンプ”に加え、このアルバムでは2曲で寺岡呼人がプロデューサーを務めている。そのうちのひとつがこの曲。繊細で情緒的なギターが聴こえてくる冒頭も、ドラマティックに展開するサビも、表情豊かなヴォーカルも、寺岡とのタッグがあったからこそ生まれたものかもしれない。ふつふつと沸き上がるエモーションを爆発させるのではなく、じんわりと滲ませるような感覚が、かえって切なさややるせなさを増幅させる。
前回の“コールアップ”のレヴューでも書いたが、僕はグッドモーニングアメリカのこういう繊細な側面が好きだ。ハイテンションなアップチューンももちろんいいが、酸いも甘いも噛み分けてここまで歩いてきたバンドの物語と、金廣真悟というソングライターのパーソナルな匂いが漂ってくるこういう曲にこそ、彼らが何を抱えてバンドを続けているのかという本質が詰まっているという感じがする。恋の終わり、離れ離れになるふたりの姿と、オレンジに染まる夕暮れの風景。まるで映画のシーンのようにゆっくりと情景を描き出していく歌詞には、金廣のセンチメンタルな詩情がダダ漏れである。金廣によれば、この曲はすごく古い曲だという。ずっと出したかったが、この曲は絶対に秋に出したいので、タイミングをはかっていたそうだ。「生きる」という意志やポジティヴなエネルギーに満ちている『inトーキョーシティ』だが、気を張っているだけでは生きていけないし、ふとした瞬間に目の前に現れてくる切なさや哀しさも人間の真実だ。そして金廣は、じつはそこを書くのがうまい。
アルバムもここから後半。ここからまたテンション上がっていきますよ。
これまでのレヴューは以下。
1. inトーキョーシティ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111450
2. アブラカタブラ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111490
3. 何とかなるでしょう
http://ro69.jp/blog/ogawa/111512
4. STOP THE TIME
http://ro69.jp/blog/ogawa/111532
5. 拝啓、ツラツストラ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111617
6. コールアップ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111690