KAREN Oの超親密ライブが素晴らしかった。
2014.09.19 11:02
初のソロ・アルバム『Crush Songs』を発売したカレンOが、NYで4日間の超小規模&親密ライブを行った。もちろんチケットは即完売。
4日間のライブでは、ヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ・クーニグや、ライアーズのジュリアン・グロスも飛び入り参加。観客の中には、スパイク・ジョーンズ、インターポールのメンバーもいたという、さすがNYシーンのクイーンの健全ぶりを見せつけていた。
私が行ったのは、最終日の9月12日。外でカメラマンを待っていたら、なんと、美しい白髪のデヴィッド・バーンが、自転車でさっそうと登場。私の真横に自転車を止めたのできゃーっと思っていたら、そのまま中に入らない。携帯をチェックしながら誰かを待っている気配で、デヴィッド・バーンを待たせるとは大物!と思ったら5分くらい遅れて登場したのが、St.Vincent だった。さすが(笑)。という何とも地元NYらしい雰囲気の中でこの日のライブも行われた。
会場に入ってまず驚いたのは、ステージがど真ん中にあって、観客が360度入る設定になっていたこと。観客は200人程度なので、誰もがそれをぐるっと取り囲んで超至近距離でカレンO。彼女のリビングルームに招待されたようなそんな親密感のライブだった。壁には”Crush Palace”と書かれたハート型のネオン管が光っていて、彼女が目指した「ノスタルジックで、同時に『ブレード・ランナー』的な近未来的なエッジのあるもの」が正に再現されているようだった。
バンドは、ふたりで黒人のMoses Sumneyと女性シンガーHolly Miranda。男性ふたりの前で戦士のようにフロントを務めるヤー・ヤー・ヤーズとは見た目からして違うバンドであることを提示していた。
ライブ全体の印象としては、まずこの日の音を聴いて、いかにアルバムのサウンドが本当に生々しく彼女の心境を表現した超貴重なものであったかということ。
いざライブとなったらやはり、観客に聴いてもらうものとしてしっかりとサウンドが構築されていから。しかし、それでも、ヤー・ヤー・ヤーズにおける、水を吹き出すパフォーマンスや、スクリームとは、180度違う、”マップ”以上にか弱さを全面に出しながら恋心をとことん曝け出すライブとなっていた。
この日は、ヤー・ヤー・ヤーズのニック・ジナーが何曲も出演したのみならず、なんともうひとりのバンドメンバー、ブライアン・チェイスも参加してアンコール前の最後の曲”DAY GO BY”を演奏で会場もジャンプしまくり。
メランコリーなサウンドの中、この日目立ったのは、非常にキャッチーに響いた"RAPT’。これがご主人に向けて書かれたラブ・レターのような曲であるというのは大きいはずだ。ビデオはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=oTvqMfvVWYQ
マイケル・ジャクソンに捧げられた曲では、いつものヤー・ヤー・ヤーズ的な元気さもあって、会場からは笑いも出ていた。カレンは、ソロ活動の一貫で、ミュージカルを披露したこともあるので、時に舞台がかったような瞬間もあったりして、1曲1曲が、アルバムで聴くよりも、より個性を力強く発揮していたのがこの日の印象だった。
アンコールの前に、舞台裏に向かって私の目の前をエズラ君がダッシュ。スパイク・ジョーンズ監督の映画『HER』で披露された”MOON SONG”を共演だ、と思いきやアンコール直前にエズラ君は、VIP席に戻ってしまった。がっかり。どういう話し合いが行われたのか分からないけど、残念ながらこの日の共演はなかった。
スパイク・ジョーンズがカレンOを驚かせるために作った”OOO”のビデオがこちら。
それにしても、カレンOのエモーションをここまで至近距離で浴びるとは。やはりあまりに貴重だった。詳しくはまた最新号で書かせていただきます!
Le Passion Rouge Sept 12 Setlist
1. NYC BABY
2. OOO
3. INDIAN SUMMER(The Doors Cover)
4. VISITS
5. RAPT
6. OTHER SIDE
7. SO FAR
8. BEAST
9. COMES THE NIGHT
10. SUNSET SUN
11. HIDEAWAY
12. KING
13. BODY
14. NATIVE KOREAN ROCK
15. DAY GO BY
ENCORE
DUET
THE MOON SONG