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    星野源の東京ドーム公演で伝わってきたもの

    星野源の東京ドーム公演で伝わってきたもの
    東京ドームのライブを観てこんな気分になったのは初めてだった。
    きっと後にも先にももうないと思う。

    星野源のドーム公演は、星野源からの、ずっとここにいるという宣言のようだった。
    星野源は星野源のまま、ひとりの人間としてただただ音楽を求め、音楽に救われ、音楽を楽しみ、音楽を歌っていく、そういう人生を生きてきたし、これからも生きていくんだという、とても大事な確認を50000人と一緒にしていくライブだと思った。
    そんなライブを、僕はこれまでこの巨大な東京ドームで観たことはないし、これからもないだろう。

    星野源のライブは、いつだって確かに「近い」が、今日は近さとはどこか違う、「あ、今、大切な何かがとてもわかる形で伝わってきている」という感覚があった。
    それは「星野源はとても音楽が好きな音楽家なのだ」というメッセージなのだと思った。
    どこまでいっても、いつになっても、究極それだけなんだ、というシンプルさと潔さを感じた。
    だから、星野源のポップソングはどれだけ多くの人の人生を彩ろうとも、手書きの手紙のようだし、手書きのメッセージのようなのだろう。

    星野源はあらためて、偉大なポップアーティストだ。
    自分と音楽の関係性を見つめ続けることで、自身の音楽をどこまでも真理に近づけていく。
    それはとても星野源らしい姿勢だと僕は思う。

    愛すべき東京ドーム公演だった。
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