交わらない二つのエネルギー、同じ夜に立つ──ヤングスキニー × Blue Mashの対バンを観て

交わらない二つのエネルギー、同じ夜に立つ──ヤングスキニー × Blue Mashの対バンを観て
『老いてもヤングスキニーツアー vol.6』ツアー初日の東京・LIQUIDROOM公演を観た。

外向きの熱さでフロアを燃やし尽くすBlue Mash。
内向きの感情で静かに聴き手の心を揺らすヤングスキニー。
まるで正反対の方向から殴りかかってくる二つのバンドが、同じ夜、同じステージに立った。

大阪・寝屋川発のBlue Mashは、ステージに現れた瞬間から観客一人ひとりに語りかけてくる。優斗(Vo./Gt.)の視線は会場全体を包み込みつつも、確かに「あなた」だけを真っ直ぐに見つめる。その熱量は拳を振り上げる観客のエネルギーと重なり、会場全体を一つの渦に巻き込んでいた。

対照的に、ヤングスキニーは静かに、フロアを煽ることなく、聴き手の内側へと入り込んでいく。
「無理して拳を上げなくていい」──かやゆー(Vo./Gt.)のその言葉は、どこか斜に構えているようでいて、彼なりの優しさなのだろう。
強がり、後悔、傷つけ合う恋愛...ヤングスキニーの音楽は、ただそっとそこに在り、聴く人が心を開けば静かに寄り添ってくれる。

音楽性も、ステージングも、ファンとの向き合い方も全く異なる二つのバンドに共通していたのは、「世界を誰かに委ねない」という強い意志だった。(古閑英揮)
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