ワンマンツアー「"老いてもヤングスキニーツアー vol.3" 2度あることは3度ある編」のKT Zepp Yokohama公演を観た。
Zeppの広々としたステージに対してバンドセットは中央にキュッとまとまっていて、グッズ紹介ではお客さんのタオルを借り、ステージと客席の隔たりを感じさせない会話のやり取りもある。そんな感じで小箱の距離感そのままに急拡大していったのが今のヤングスキニーだ。自然体で気負ってないのがすごく良い。
かやゆーが途中のMCで「“ベランダ”を使っていただいてありがとうございます!」と言っていたのがなんだか新鮮だった。新曲を出したら普通は「みんな聴いてくれてありがとう!」とか、そんな言葉になると思うが、確かにヤングスキニーの曲は「あなたに捧げる曲」でもなく、「あなたのために歌う曲」でもなくて、「これこそが私たちの歌」なのだ。
12月にリリースした新曲“精神ロック”で、かやゆーは《ロックだ うるせえ》と歌ったが、彼らは正真正銘のロックバンドだった、と私は思った。分かり合えないのならしょうがない。ネガティブな感情でしか結束できないのならそれでいい。確かにヤングスキニーの様なロックバンドはこれまで存在しなかったかもしれない。でもそんな過去の論理で未来の可能性は否定できないんじゃないか。
自分の「好き」を探すことすら簡単じゃない世の中だから。こうして何千人もの人たちがヤングスキニーの音楽を聴きに集まっていること自体が奇跡だと思う。そんなあなたの「好き」をただ全力で肯定したくなる幸福なライブだった。
(古閑英揮)
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ヤングスキニーは紛れもなく今の時代のロックを鳴らしていた
2024.03.21 22:40