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    ヤングスキニーは紛れもなく今の時代のロックを鳴らしていた

    ヤングスキニーは紛れもなく今の時代のロックを鳴らしていた
    ワンマンツアー「"老いてもヤングスキニーツアー vol.3" 2度あることは3度ある編」のKT Zepp Yokohama公演を観た。

    Zeppの広々としたステージに対してバンドセットは中央にキュッとまとまっていて、グッズ紹介ではお客さんのタオルを借り、ステージと客席の隔たりを感じさせない会話のやり取りもある。そんな感じで小箱の距離感そのままに急拡大していったのが今のヤングスキニーだ。自然体で気負ってないのがすごく良い。

    かやゆーが途中のMCで「“ベランダ”を使っていただいてありがとうございます!」と言っていたのがなんだか新鮮だった。新曲を出したら普通は「みんな聴いてくれてありがとう!」とか、そんな言葉になると思うが、確かにヤングスキニーの曲は「あなたに捧げる曲」でもなく、「あなたのために歌う曲」でもなくて、「これこそが私たちの歌」なのだ。

    12月にリリースした新曲“精神ロック”で、かやゆーは《ロックだ うるせえ》と歌ったが、彼らは正真正銘のロックバンドだった、と私は思った。分かり合えないのならしょうがない。ネガティブな感情でしか結束できないのならそれでいい。確かにヤングスキニーの様なロックバンドはこれまで存在しなかったかもしれない。でもそんな過去の論理で未来の可能性は否定できないんじゃないか。
    自分の「好き」を探すことすら簡単じゃない世の中だから。こうして何千人もの人たちがヤングスキニーの音楽を聴きに集まっていること自体が奇跡だと思う。そんなあなたの「好き」をただ全力で肯定したくなる幸福なライブだった。
    (古閑英揮)

    【JAPAN最新号】今、その眼差しに映るものは何か──矛盾だらけの「ロック」とこの瞬間の「リアル」が詰まったヤングスキニーの新作EP『不器用な私だから』をかやゆーが語る
    昔とは違う意味で「ロック」って言いたくない。 今はロックに対して自分なりの形があるから ヤングスキニーが昨年12月にリリースした1曲“精神ロック”で、かやゆー(Vo・G)はこう歌っている──《ロックだ うるせえ》。私は、ここに少なからず複雑な意志を感じ取る。「ごちゃごちゃ言うな。こ…
    【JAPAN最新号】今、その眼差しに映るものは何か──矛盾だらけの「ロック」とこの瞬間の「リアル」が詰まったヤングスキニーの新作EP『不器用な私だから』をかやゆーが語る
    ヤングスキニーのことをちゃんと知らないあなたにこそ聴いてほしい“精神ロック”。その曲も収録されたEP『不器用な私だから』について、かやゆーがいつになくまっすぐな目で語ってくれました
    あなたの中の「ヤングスキニー」はどういう印象だろう? バズ曲“本当はね、”の軽妙なロック感? 等身大の恋愛を歌った生々しい歌詞? かやゆー(Vo・G)の破天荒なキャラクター? そんな印象しかないあなたにぜひ、ヤングスキニーが昨年12月にリリースした“精神ロック”を聴いてほしい。 …
    ヤングスキニーのことをちゃんと知らないあなたにこそ聴いてほしい“精神ロック”。その曲も収録されたEP『不器用な私だから』について、かやゆーがいつになくまっすぐな目で語ってくれました - photo by 中野敬久

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