ワンマンツアー「和やかな支配」のファイナル公演を恵比寿ザ・ガーデンホールで観た。
TOOBOEの楽曲は、内面の葛藤、生と死、善と悪の間での揺れ動く心情を繊細に描き出す。夢を語ったり、幸せを歌うアーティストはたくさんいるけれど、深い孤独と愛への渇望をありのままに曝け出し、人間の脆弱性さえも美しく描写するTOOBOEは唯一無二の存在だ。自己と他者との関わりの中で見いだされる真実と痛み、社会的な制約や心理的な束縛、外面の偽りや虚飾といった現代社会の混沌とした風景を吠えるように歌うTOOBOEは最高に格好良かった。
バンドのグルーヴも素晴らしく、ロックバンド・TOOBOEとしても大きな進化を感じたライブだった。
次のライブは5月4日のJAPAN JAM。この一ヶ月でさらにパワーアップした姿を見せてくれるだろう。
(古閑英揮)
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TOOBOEの楽曲は、人生の複雑さと美しさをありのままに投げかける
2024.03.20 22:51