付け入る隙がない。プロフェッショナルなバンドと共に力強いパフォーマンスをこなし、アレンジ違いのオアシス曲を歌い出しで沸かせるのもお手のもの。そしてジョークでオーディエンスとやり合い、喜ばせる。
期待しないと思いながら気持ちのどこかで捨てきれずにいた、苗場での兄弟共演もあっさりと否定。このステージを観れば、そりゃそうだよなという感じだ。やる必要がないもん。
作曲の手クセも過去の遺産も肯定し、これからの未来に解き放つ。それがノエルのやり方だ。この苗場でも、彼は完璧に兄貴だった。我々の大合唱を導き、受け止めてくれた。最高だ。
そういうノエルは好きだし、立派だと思う。ただ僕は、アレンジそのままのオアシス曲を歌うことにさえ時間がかかったリアムを、えこひいきしている。(小池宏和)