雨が上がったところで、今回最も楽しみにしていた出演者のひとつ、スペインはバレンシア出身のオブリント・パス。9人編成の大所帯(トロンボーンやトランペット、ターンテーブリストまでいる)で、火がつくほどエモーショナルかつ賑々しいミクスチャー・ロックをプレイする。オーディエンスの興奮ぶりと相まって、どんどん熱量を上げていく。すごい。
ドルサイーナと呼ばれる伝統的な管楽器も使われ、無国籍なメロディと誰がリード・ボーカルなんだか分からないような雄々しいコーラスが次々に放たれる。これまた実直過ぎて強度を上げるしかないレベル・ミュージックだ。今、SFUもカバーしたことがあるパルチザン歌“ベラ・チャオ”やったし。
それにしても、マヌ・チャオやオブリント・パスやSFUやスカパラやビッグ・オーディオ・ダイナマイトやエイジアン・ダブ・ファウンデーションが一同に会してしまうフェスってすごくないか。無敵な気持ちになる。
あああ、でも、このぬかるみまくったオレンジ・コートでそんなにタテに弾けたら……。(小池宏和)