グレイシー・エイブラムス、即完の初来日公演で見せたポップアイコンとしての存在感とファンとの絆

グレイシー・エイブラムス、即完の初来日公演で見せたポップアイコンとしての存在感とファンとの絆

グレイシー・エイブラムスがZepp Hanedaにて、一夜限りの初来日公演を開催! 夢のようだった——その距離の近さも、ファンに語りかけるような親密なパフォーマンスも。テイラー・スウィフトやオリヴィア・ロドリゴのツアーに参加し、グラミーにもノミネートされ、まさにスター街道を駆け上っている最中の彼女。もちろんチケットは即完売で、もう二度とこんなキャパシティでは観ることができないだろう贅沢なショウだったと言えよう。

“Z世代に人気の〜”と紹介されることの多いグレイシー・エイブラムスだが、実際に会場に入ると、予想をさらに上回るほど若いお客さんでいっぱいだった。ファンの間で共通のシンボルとなっているリボンコーデに身を包んだ女性も多く、彼女が今いかにアイコニックなポップスターになりつつあるかが分かる。大歓声の中現れた本人も白いリボンのついた衣装で、聡明さを感じるたたずまいだ。今の時代、これほどタイムレスな、凛とした輝きを放つシンガーも珍しいかもしれない。ギターを弾きながらも伸びやかな歌声で次々と人気曲を披露しつつ、その合間にファンと目を合わせたりメッセージボードを丁寧に読んだり、オーディエンスとの壁をどんどん取り払っていく姿勢に会場が沸いた。

そして驚くべきは、観客の大きな大きな歌声だ。皆が歌詞をしっかり覚えていて、大合唱で応える姿に本人も何度も感慨深げな表情を見せていた。「ついに日本でのライブが実現できた」「ずっと前から皆の応援を感じていました」と感謝のメッセージを繰り返し伝え、ライブ中も双方向のコミュニケーションがどんどん深まっていく。そういったファンとの熱量高い関係性も含めて、2020年代らしいアーティストとしての在り方を体現している人だと痛感した。

自身でキーボードを弾きながら歌った“I Miss You, I’m Sorry”や、最後に大きな盛り上がりを見せた“Close To You”など、終始幸せな空気に満ち溢れた、愛情たっぷりのステージ。グレイシー・エイブラムスこそが、次のポップシーンのプリンセスだ——そう確信したライブだった。(つやちゃん)



グレイシー・エイブラムスの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』6月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

グレイシー・エイブラムス、即完の初来日公演で見せたポップアイコンとしての存在感とファンとの絆
rockin'on 編集部日記の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on