ジャック・ホワイトはフェスティヴァル出演はアーティストにとって「必要悪」であって、必ずしも積極的に出たいものではないと語っている。
フェスティヴァル・シーズンについてどう思うかという問いにジャックはBBCに対して次のように語っている。
「まあ、業界における必要悪だと思うけどね。俺的には好んで演奏したい場ではないんだ。たくさんの人がフェスティヴァルには来るし、だからいろんな選択肢があるわけなんだよ。普段だったら、絶対に自分のライヴに来ないような人たちへの露出にもなるし、主催者もギャラを弾むからやってる方も嫌とは言えないわけだけど、俺が一番演奏したいような場ではないんだよね」
「みんななんか飲んで出来上がってるし、日向ぼっこしたり、歩き回ったりして、お客さんにはすごく楽しいことなんだろうけど、俺には面白くないんだよ。だからといって嫌だとか、そういうことを言ってるんじゃなくて、俺には刺激的だった試しがないということなんだ」
さらに自分の歌詞へのアプローチを説明するに当たって、自分のはけ口にするような書き方は大嫌いだと次のように語っている。
「なんか自分の個人的な生き様を売り物にして、自分の泣き言を人に聴かせるようなことって本当に馬鹿げてると思うんだ。ソングライターだったら、やるべき仕事っていうのはいろんな形での苦難や苦労を書いて、それを聴き手がすぐに自分のこととして接点を持てるものとして表現することにあるんだよ。だから、書き手のガス抜きをするためのものじゃないんだよね。特に今のゴシップ文化がある中じゃそうなんだよ。そういうことには俺はまったく興味がないんだ」
また、ザ・ホワイト・ストライプスにとっては最大のブレイクともなった2003年の"セヴン・ネイション・アーミー"についてトラックが出来た時にはメグも「まあいいんじゃない」という温度で、レコード会社に至ってはシングルとしてのリリースをやめたがっていたことをジャックは次のように語っている。
「あのリフをサード・マンのベン・スワンクに弾いて聴かせたら、『まあ、いいんじゃない』って言って、メグもいいとも悪いとも言わない感じだったんだ。これはおもしろい現象だなあって思ってね。レコーディングしても、誰もさほどよいとは言わなかったからね」
「アルバム(『エレファント』)が仕上がった時点でも、レコード会社の連中はシングルとしてリリースしたがらなくてさ! だから、こういうものに気を付けていないと、結構大きなチャンスを見逃すものなんだよっていういい具体例なんだよね」
"セヴン・ネイション・アーミー"についてはロンドン・オリンピックでも柔道競技などのBGMとして多用されていたのも記憶に新しい。
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