12月8日にロンドンで行われたジョイ・ディヴィジョンについてのトーク・ショーで、ニュー・オーダーとしての再結成の可能性についてファンから訊かれたスティーヴン・モリスはこれを否定はしなかった。
イベントはジョイ・ディヴィジョンのボックス・セット『+-』のリリースを記念してレコード店のラフ・トレード・イーストで行われたもので、バンドのドラマーだったスティーヴンのほか、ジョイ・ディヴィジョンのジャケットなどのデザインで有名なピーター・サヴィル、そしてロック評論家のジョン・サヴェージも参加してのものだった。
ファンから、スティーヴンとバーナード・サムナーとで、ピーター・フックとの確執を解消してニュー・オーダーとしてまたやれないものなのかと訊かれると、スティーヴンは「ニュー・オーダーとしてまたライブをやることは可能だよね」と応えていた。しかし、ピーターが「そうしたら喜ぶ人は多いだろうね」と促したものの、それ以上スティーヴンはその話題には踏み込もうとはしなかった。
NMEのポール・ストロークスが司会を務めたこのトーク・セッションでは、ジョイ・ディヴィジョンが70年代のマンチェスター・シーンに与えた影響、ファクトリー・レコードの隆盛、そして今回のボックス・セット用に音をリマスタリングしたスティーヴンのエピソードなどが主な話題となった。
スティーヴンはごく初期のバンドの動機になっていたものをこう説明していた。「マンチェスターでは誰からも好かれていないように感じてたんだ。それでものすごく気張ってたし、おかげで必要以上にいつもいつもよくやれるように努力してたんだよね」。
また、ピーターはファクトリー・レコードをピーターとともに設立し、ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーのマネージャーも務めていたロブ・グレットンとトニー・ウィルソンについても称えながら回想した。特にトニーの場合には才能ある人たちがいつもトニーの周辺にはいたと語った。ただ、トニーの靴の趣味の悪さについてはこの日の参加者の3人全員が同意して、ピーターは靴を「グラナダ・テレビの衣装だったものをいつも失敬していて、まるでダンボールで作ってあるのかと思うくらいの安物だったよ」と語っていた。
また、スティーヴンによれば、ジョイ・ディヴィジョンが80年にロンドンのライセアムでライブをやった時には当時ザ・ツーリストのメンバーだったアニー・レノックスも楽屋に居合わせていて、「ぼくのサンドイッチを食べちゃったんだよ」という。「しかも、一皿全部食いやがった!」とスティーヴンはおどけていた。
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