そんなVan de Shopの1stミニアルバムとして先日リリースされた『鯨骨群衆』は、栗山が自身でボーカルをとり、石若駿やマーティ・ホロベックといった時代の先頭を走るプレイヤーたちも迎えて制作された、野心溢れる1作。「孤独な鯨と幽霊の少女の物語」というコンセプトと共に、ビッグバンド的多幸感溢れる“コメディなヒーローになれたなら”、エレクトロニクスと生楽器の融和した深い音のレイヤーが没入感溢れる“Diving Message”など、理想を目指し、色とりどりの音楽の翼を羽ばたかせるバンドの姿がここにはある。タイトルである「鯨骨群衆」とは、鯨の死骸を中心にして形成される生物群集のことを指す。深海にある鯨の死骸の周りには、その養分をもとにして特殊な生態系が形成されることがあるのだ。栗山が「蜂屋ななし」としての活動終了後に本格始動させたVan de Shopもまた、「終わり」から始まっている。この先ここにどんな生態系が形成されていくのか、注視していきたい。(天野史彬)
Van de Shop、ボカロもジャズも養分にした、新たな音楽の生態系
2022.09.07 17:00
そんなVan de Shopの1stミニアルバムとして先日リリースされた『鯨骨群衆』は、栗山が自身でボーカルをとり、石若駿やマーティ・ホロベックといった時代の先頭を走るプレイヤーたちも迎えて制作された、野心溢れる1作。「孤独な鯨と幽霊の少女の物語」というコンセプトと共に、ビッグバンド的多幸感溢れる“コメディなヒーローになれたなら”、エレクトロニクスと生楽器の融和した深い音のレイヤーが没入感溢れる“Diving Message”など、理想を目指し、色とりどりの音楽の翼を羽ばたかせるバンドの姿がここにはある。タイトルである「鯨骨群衆」とは、鯨の死骸を中心にして形成される生物群集のことを指す。深海にある鯨の死骸の周りには、その養分をもとにして特殊な生態系が形成されることがあるのだ。栗山が「蜂屋ななし」としての活動終了後に本格始動させたVan de Shopもまた、「終わり」から始まっている。この先ここにどんな生態系が形成されていくのか、注視していきたい。(天野史彬)