現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』10月号にBiSHが登場!BiSHが解散まで走っていくうえで、何か変われる瞬間を与えてもらったことが嬉しかった。
なんでもやってみなきゃわからないし、それをやってきたのがBiSHだから(チッチ)
日々深まる覚悟と、決定的名曲“サヨナラサラバ”
――6人は、残された2022年をどう過ごし、駆け抜けていくのか? 胸中を語る
インタビュー=小栁大輔 撮影=岡田貴之
BiSHが解散するその日まで、その機微と変化をつぶさに記録し、刻んでいきたいと思い、毎月インタビューをさせてもらっている。やはり、気づくことが少なからずある。元気そうだったり疲れていたり、空気がざわついていたり重なっているように見えたり、毎月様々な変化があり、その都度、「僕にはそう見えるけど、みんなはどう?」と訊くようにしている。ただ、そんな6人の中で、右肩上がりで、美しいほどに共通して深まり強まっている概念がある。それはつまり、「日々解散の日が近づいている」という事実への認識であり、終わりが否応なく見えてきた日々を、自分はどう過ごしていきたいのかという覚悟だったりする。変な言い方になるが、だから6人は会うたびにかっこよく、眩しくなっていく。
最終章を駆け抜けようとしているBiSHにとって、この曲は必然的な出会いとして、残りいくつあるかわからない曲がり角で待っていた宿命の曲だったのだと思う。“サヨナラサラバ”。作曲はONE OK ROCKのTaka、MEG、作詞はWANIMAからKENTA。エモーショナルで性急なメロディ、渾身の歌を強いる巨大なアンサンブル。そして、《残された時間は過ぎてゆく/僕は嫌になっても演じ続けてやる》という歌詞。そのどれもが、今6人に新たな、改めての覚悟と決心と割り切りと受け止めを促すような、向き合うのにあまりに本質的なものだ。TakaもKENTAも本当に、よくわかっているんだなと思う。ロックバンドとして、終わりを駆け抜けていくことの美しさと儚さを、そしてだからこそスパークする眩さを。ふたりはよく知っているんだなと思う。
BiSHの限りある燃焼は、まだ続く。(小栁大輔)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2022年10月号より抜粋)