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    【JAPAN最新号】平手友梨奈、二十歳の現在地と“かけがえのない世界”――1年ぶりのロングインタビュー

    【JAPAN最新号】平手友梨奈、二十歳の現在地と“かけがえのない世界”――1年ぶりのロングインタビュー

    自分では言ってなかったけど……本当の気持ちみたいなものを書かれたから。
    だったらパフォーマンスして伝えたいなあとも思ったし。
    ぶつけるなのか、ちょっとでもわかってもらいたいなのか。嫌いだったら、たぶん歌ってない

    現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』10月号別冊に平手友梨奈が登場!

    特別別冊
    二十歳の現在地と“かけがえのない世界”
    ――1年ぶりのロングインタビュー

    インタビュー=小栁大輔 撮影=北島明(SPUTNIK)


    きれいに1年ぶりのインタビューとなる。
    特に何を申し合わせているわけではないが、平手へのインタビューはどういうわけか、だいたい1年に一度、ということになっていて、実際、前回のインタビューから1年が経とうという季節になると、「そろそろなのではないか」という実感が、僕からとも本人からともつかず、ちゃんと浮上してくる。
    今回もそうだった。だが今回、僕にはいつにもまして、平手に尋ねてみたいことが明確にあった。

    7月14日、FNS歌謡祭。平手はこの場で、“かけがえのない世界”を初めて歌った。
    というか、この曲が披露されたのは、ラジオでオンエアされたことを除けば、現時点において、この一回のみということになる。
    この曲を歌い踊る平手を見て、僕は驚いた。
    平手がどこか解放されているように見えた。純白のセットアップをまとい、マイケル・ジャクソンを思わせるような軽やかなステップを踏み、ダンサーたちとアイコンタクトを繰り返しながら、「世界のかけがえのなさ」というテーマに向き合っていた。そして、その数分間の時間を過ごすことをとても純粋に楽しんでいる、そんなふうに感じた。それは平手がひとつ新たな地平へと突き抜けたことを思わせる、何かを引き受けたように見える、新たな瞬間だった。

    しかし同時に、強く思ったことがあった。それは、この曲は一体「誰に」向けられているのだろう、ということだ。
    たとえば“ダンスの理由”が「ひとりきりで泣いているあの娘」に向けられていたように、平手の歌や平手のパフォーマンスの先には、いつも「誰か」がいた。それは、世界から孤立する厄介者であったり、孤独に蝕まれるあの娘、だったりしてきたわけだが、“かけがえのない世界”にはその「誰か」が見えなかった。
    であれば、この曲の中にいるのは――もっと言うならば、「唯一無二のこの世界/もう他には何もいらない」、あるいは「悪くはない/孤独の世界」と一人称で歌っているのは――他ならぬ平手自身、なのではないか。そんなふうに感じられて仕方がなかった。平手が今、「自分自身」を歌うのはなぜなのか。
    それは解放につながる変化なのか、さらなる閉塞を示す何かなのか――。
    そんな相反する印象のなかで、僕は今回のインタビューの機会を強く求めた。

    そして、平手は1年ぶりにインタビューの場に登場してくれることになった。真白い、何にも侵されてないスーツに身を包み、現場に現れた平手はいつにもまして静かな表情で、気づきと迷いを語ってくれた。
    二十歳になった平手友梨奈の現在地を目撃してほしい。(小栁大輔)

    (『ROCKIN'ON JAPAN』2021年10月号より抜粋)



    • 【JAPAN最新号】平手友梨奈、二十歳の現在地と“かけがえのない世界”――1年ぶりのロングインタビュー - 『ROCKIN’ON JAPAN』2021年10月号

      『ROCKIN’ON JAPAN』2021年10月号

    • 【JAPAN最新号】平手友梨奈、二十歳の現在地と“かけがえのない世界”――1年ぶりのロングインタビュー - 『ROCKIN’ON JAPAN』2021年10月号
    • 【JAPAN最新号】平手友梨奈、二十歳の現在地と“かけがえのない世界”――1年ぶりのロングインタビュー - 別冊 平手友梨奈
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