「最初に研究したプレイヤーといったら、ジョン・ポール・ジョーンズ(レッド・ツェッペリン)。彼は驚異的な“フィール”の持ち主だし、サウンドも素晴らしい。メロディックなプレイヤーでもあって、ある意味、通常の“ベースの役割”を超えたことを確実にやっていた」
1996年にリフレックスから発表されたデビューAL『フィード・ミー・ウィアード・シングス』。スクエアプッシャー名義によるトム・ジェンキンソンの今日までの躍進は、間違いなく本作がその足掛かりとしてあった。
今回のインタビューでは、普段はあまり過去のことを振り返らない、と前置きして語り出したトムだが、大掛かりな再発プロジェクトを通して、たっぷりと当時の創作活動や心持ちを再確認する機会となったようだ。とりわけ、エレクトロニック・ミュージック時代のベース求道者として思いを巡らせた日々の話題は興味深い。
ドリルンベースからベース・ソロ、バンド・プロジェクトまで、多彩を極めてゆくことになるトムのキャリアの原点は間違いなくここにあるし、手探りでベース演奏の新たな可能性を見出す姿勢は、今日のポップ・ミュージック全般に接続するものでもあると思う。(小池宏和)
スクエアプッシャーのインタビューは、現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。