メンバー自ら「最高傑作!」と称したミニ・アルバム『Immortal』を引っ提げてのImmortalツアー最終日、スタジオコースト2DAYSの初日。1年間ずーっとツアーを続けてきた2007年のストレイテナーを締めくくるに相応しいとてもダイナミックで、バンドのさらなる未来を期待させる素晴らしいライヴだった。ほぼ2時間近い演奏時間が一瞬に感じられるほどの勢い、そしてアーティストとしての深みを増した自由で、生々しい演奏。特に、『Immortal』からの新曲はどれも目をみはるものだった。
“FREE”も、“ETERNAL”も、本当に新しいグルーヴ感をもった素晴らしい演奏力で、この曲が生まれたことによってバンドが大きく成長し、より自由なプレイヤビリティを手に入れたことが誰の耳にも伝わってきた。『Immortal』を聴いた瞬間、バンドが大きな扉を開いたことを誰もが確信しただろう、けれども実際にライヴで演奏される楽曲を聴いて、そのさらなる曲の進化に目からウロコが落ちる思いがした。
ミニ・アルバムのインタヴュー時に日向(B)は、ZAZEN BOYSのひなっちとストレイテナーのひなっちが一体になってきた、というようなことを語っていた。その言葉をライヴでも証明するように、遠慮なくぶつかりあい、自由に絡み合う音がとにかく豪快で、面白い。過去の楽曲もまったく違った様相を帯びていてびっくりした。途中ホリエ(Vo/G)は、来年の抱負をさらりと聞かせてくれた。この1年がむしゃらに疾走してきた3人にとっても感慨深い夜だったことを感じさせた。
テナーのライヴの最後に定番のように繰り広げられてきたアッパーな初期楽曲たちが少なくなってもなんの遜色もない、新しい技で盛り上がりまくったラストまで、徹底して刺激的な演奏が続いた。そして、最後は、あえてこれまでと変わらない、シンペイ(Dr)のダイブで幕を閉じた。これまでも、揺れまくり、拳挙げまくりのオーディエンスだったが、その声がひときわ高くあがった。(井上貴子)
ストレイテナー @ 新木場スタジオコースト
2007.12.26