“05410-(ん)”、“棒人間”、さらに「先輩たちのために体力温存してんじゃねえだろうな? 埼玉の駄々っ子ぶり、見してみろ!」と繰り出した“DADA”から“おしゃかしゃま”でのソロバトルまで、すっかり血肉化されたツインドラム編成でのパワフルな「今」を存分にアピールしてみせたRADWIMPS。最後の“いいんですか?”では《こんなに人を好きになっていいんですか?》の部分を♪こんなにACIDMANを好きになっていいんですか?と歌い、最大限のリスペクトを咲き誇らせていった。
「SAI」も終盤に差し掛かり、たまアリがいよいよむせ返るほどの熱気を帯びる中、Dragon Ashは最初から“Stardust”、“Mix It Up”と最新アルバム『MAJESTIC』のハイパーに磨き上げられたミクスチャーモード全開でかっ飛ばしてみせる。そして、続けて披露した“Ode to Joy”の後、「20年やったACIDMANに、バンドマンである証明を!」というKj(Vo・G)のシャウトをきっかけに、ACIDMAN“ある証明”のカバーへ! 驚きと感激に沸き返る観客のエモーションが、会場の温度を刻一刻と高めていく。
「板の上でロックバンドを365日続けて、それ×20しないと、メンバー変わんねえで20周年なんてできねえの。マジで死ぬほど拍手してあげて!」とKj。「みんなも長く板の上で這いつくばって汗かいてるバンドマンを応援してあげてください!」というメッセージから突入した最後の“Fantasista”では舞台袖からMWAM:トーキョー・タナカ、ACIDMAN:一悟、10-FEET:TAKUMAが乱入! 激烈響宴が終わった後、KjがTAKUMAの顔を見ながら「えーと……タクヤだ!」とボケをかまし、一同ズッコケる、というコンビネーションプレイ(?)も、特別な一夜の祝祭感をさらに高めていた。
トリ前に登場したストレイテナー、初期のアンセム“ROCKSTEADY”と昨年のシングル“シーグラス”を織り重ねるような展開が、ACIDMANとともに歩んできたテナーの歴史への福音のように広がり、「15年以上の付き合いになりますが、こうして20周年――俺たちも来年、結成20周年になるんですけども。ともにそれぞれの道を歩んできて、こうやってこんなでっかいステージに立ててることを、本当に嬉しく思います!」というホリエアツシ(Vo・G・Piano)の言葉に熱い拍手が広がっていく。
「去年の段階で(「SAI」に)誘ってもらってたんですけど、『ストレイテナーはフェスは無理だな』と思って。たぶん、カブるし(笑)」とホリエ。「トリビュート盤(『PAUSE』)に参加してくれたアーティストも今日いっぱい出ていて。『何これ? 俺たちのためのフェス?』って(笑)」という盟友らしいMCに続けて、トリビュート盤でACIDMANがカバーしていた“SIX DAY WONDER”を披露。「20年っていう長い年月も、今日っていう1日の積み重ねです。今日が最高の1日になって、今日がすべての始まりだと思ってます。そういう曲を、ACIDMANに捧げたいと思います」というメッセージとともに響かせた“DAY TO DAY”の強靭なビートと凜としたメロディが、たまアリの空気を力強く震わせていった。
20時、いよいよヘッドライナー=ACIDMANがオンステージ! “最後の国(introduction)”のSEのシンコペーションのリズムに合わせて一面のクラップが巻き起こる――というお馴染みの光景も、すべてが感動的なまでにドラマチックな場面として映る。“新世界”でたまアリに吹き荒れる、大木伸夫/佐藤雅俊(B)/浦山一悟(Dr)の3つの音がせめぎ合う怒濤のダイナミズム。ミラーボールのきらめきと乱反射し合いながら“FREE STAR”が編み上げる、「今、ここ」と宇宙空間を直結するような開放感とスケール感……ACIDMANが突き詰めてきた表現世界が、この広大な会場一面に咲き乱れていく。
「このフェスの構想は3年ぐらい前から考えてたんだけど。先輩・後輩も入れつつ、同世代でやりたいなと思って、声を掛けさせてもらって。ほとんどの人が、二つ返事で出てくれました」と語る大木。さらに、最新シングル曲“ミレニアム”から初期曲“赤橙”を経て“最後の星”へ、と時代を超えた名曲群が、ACIDMANの揺るぎない世界観を鮮やかに立ち昇らせていった。
「こういうMCもしょっちゅうしてます。いろんなところでバカにされるし、学校でも笑い者になった。だけど、歌にして歌ったら、いろんな人が共感してくれました。生きてるこの瞬間がすべてなんだって。殺し合ってる場合じゃないんだって、誰かを憎んでる場合じゃないんだって。愛し合って、許し合って、そうやって世界は――この短い命の時間だけでも、喜びにあふれた人生にするべきじゃないかって。死ぬことは変えられないけど、生き方は変えられます。俺はそう信じています」
そんな言葉とともに奏でられた“世界が終わる夜”。《世界が終わる事なんて 些細な事さ/小さな僕ら 生まれて 消えるだけ》……そんな大木の歌が、たまアリに無限のイマジネーションの銀河を描き出していった。
「俺は信じています、音楽の力を。言葉を超えて、音を超えて、何かとっても大事なことに気づかせてくれるものだと思っています。エンターテインメントなんだけど、エンターテインメントのその先を描きたいと思っています」――そんな言葉に導かれて鳴り渡った“ALMA”が、そして最後に圧巻の高揚感を生み出した“Your Song”が、祝祭の終幕を美しく彩っていった。
●セットリスト
10-FEET
01.RIVER
02.VIBES BY VIBES
03.1sec.
04.その向こうへ
05.ヒトリセカイ
06.赤橙 [ACIDMANカバー]
07.goes on
MAN WITH A MISSION
01.FLY AGAIN
02.Get Off of My Way
03.DANCE EVERYBODY
04.Emotions
05.Smells Like Teen Spirit (short. ver)
06.Raise your flag
07.My Hero
THE BACK HORN
01.光の結晶
02.声
03.グローリア
04.空、星、海の夜
05.コバルトブルー
06.刃
ASIAN KUNG-FU GENERATION
01.サイレン
02.Re:Re:
03.リライト
04.荒野を歩け
05.ソラニン
06.今を生きて
the HIATUS
01.The Flare
02.Storm Racers
03.Monkeys
04.Silver Birch
05.Little Odyssey
06.Insomnia
07.Lone Train Running
08.紺碧の夜に
BRAHMAN
01.THE ONLY WAY
02.賽の河原
03.BASIS
04.SEE OFF
05.BEYOND THE MOUNTAIN
06.不倶戴天
07.ANSWER FOR...
08.警醒
09.鼎の問
10.今夜
RADWIMPS
01.夢灯籠
02.前前前世
03.05410-(ん)
04.棒人間
05.DADA
06.おしゃかしゃま
07.いいんですか?
Dragon Ash
01.Stardust
02.Mix It Up
03.Ode to Joy
04.The Live
05.Jump
06.Fantasista
ストレイテナー
01.ROCKSTEADY
02.シーグラス
03.SIX DAY WONDER
04.シンクロ
05.DAY TO DAY
06.冬の太陽
ACIDMAN
00.最後の国(introduction)
01.新世界
02.FREE STAR
03.ミレニアム
04.赤橙
05.最後の星
06.世界が終わる夜
07.ある証明
08.飛光
09.ALMA
10.Your Song
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