【New Comer】COPESが痛快に時代を照らすポップなパンク、パンクなポップ

【New Comer】COPESが痛快に時代を照らすポップなパンク、パンクなポップ

本稿に取り掛かるタイミングでちょうどMVが公開された新曲“monster”が、COPESの性格をよく表していると思う。東京発の男女ツインボーカル3ピースバンドで、標榜するのは「メロディックPOP」。要は、もともと耳馴染みのいいメロディを有するメロディックパンクやスカパンクというジャンルから、さらにキャッチー&キラキラ成分を抽出・強調させた音楽性である。という部分が、“monster”では童謡“アルプス一万尺”の大胆な引用、MVではメンバーが幼稚園の先生風の衣装に身を包み、わんぱくに走り回るリアルキッズとともに笑顔を弾けさせる姿──といった形でサウンド/視覚の両面から陽性エネルギーとして伝わってくる。とにかく明るく楽しくハッピーで、いい意味でイージー。それこそ歌のお姉さんをやっていてもおかしくないくらいのカメイナナコ(G・Vo)の柔和で朗らかな声質も相まって、園児世代の耳や身体にだって本能レベルで作用しちゃいそうだ。また、これまでのディスコグラフィや、9月9日にリリースされたミニアルバム『WAO!!』(前述の“monster”も収録)のトラックリストを見ると、曲名からしてわかりやすい。大体が中学レベルの英単語一発。奇を衒わず、聴き手の解釈に委ねるような概念系にも走らないのは、この曲で言いたいのはこれ!という潔さの表れだろう。中身も直球勝負で、根幹を成すのは憂鬱を吹き飛ばせ、前を向け、走り出せといったポジティビティ。なんと言ってもこの間口の広さこそ彼らの強烈な個性であり、ライブシーンで抜きん出るための武器となる。

今が仮に25年ほど前、「AIR JAM」直撃ぐらいの時代だったとしたら、こういったアプローチには発想が至らないか、あったとしても受け入れられないケースがほとんどだったかもしれない。けれど、時が経つうちにメロディックパンクが何周もしながら成熟していき、時には一要素として他ジャンルへの吸収と還元を繰り返してきた結果、今やシーンを見渡せばそのDNAは至る所に根づき、芽吹いている。その中でも明快でキャッチーな側の極致として、COPESはますます存在感を増していくことになるんじゃないだろうか。そうは言っても、彼らは決してジャンルが育んできた精神部分を横に置いているわけではないと思う。バンド名の「cope」には困難やストレスに対処し乗り越えるという意味がある。コロナ禍に生まれたバンドのとびきりハッピーなサウンドを、先行き不透明でうっすらと抑圧された現実世界に向けて放つカウンターだと捉えるなら、もうそれは至極まっとうなパンクの戦い方なんである。(風間大洋)
●リリース情報

2ndミニアルバム『WAO!!』

【New Comer】COPESが痛快に時代を照らすポップなパンク、パンクなポップ

●ライブ情報

「COPES presents 『WAO!! tour』」

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提供:No Big Deal Records
企画制作:ROCKIN'ON JAPAN編集部
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