BxAxGのキーワードは隙間なんですよ。絶妙な隙間を縫っていくっていう(笑)(NAOI)

── みなさんそれぞれ、ルーツはバラバラだったりするんですか?

NAOIヴォーカルふたり(NAOI&HIRO)はほぼ一緒です。90年代〜00年代の、ツインヴォーカルのミクスチャーとか。Dragon Ashとかハードコアとか、あとはAIR JAM系――もともとそういうルーツが一緒で高校で友達になったんで。でも他はみんなバラバラですね。(E-HARA/Drに)メタルでしょ?

E-HARA最初はブルーハーツだったんですけど、そこからいろいろと聴いていきましたね。Kazukiは……よくわかんない、俺(笑)。

Kazuki最初ロックを聴いてたんですけど。BUMP OF CHICKENから入って、外タレを聴き始めて、最終的にアニソンに行ったんです(笑)。いろんな要素が入ってて、曲もいいし、声もかわいいし。

NAOIYOYO(B)はもともと青春パンクでしょ?

E-HARACHARCOAL FILTERとか。

NAOIこのふたり(NAOI&YOYO)は高校の野球部で一緒で。俺はハードコアとかも好きだけど、わりと浅く広く聴くみたいなタイプだったんで。ふたりとも青春パンクが好きだったから、「青春パンクのバンドやろう」っつって、伝説の――「天然パーマ」っていうバンドを組んでたんです(笑)。

YOYO野球部のユニフォームをそのまんま着てやってたよね(笑)。

NAOIで、KOZI_LAWはわりと洋楽志向だよね?

KOZI_LAW親父が80年代ぐらいのハードロックが好きで。あとはツェッペリンとか、ジミヘンとか、いわゆるギターヒーローものの洋楽の影響が大きくて。邦楽を聴くようになったのは最近ですね。

── メンバーそれぞれの音楽的な引き出しは、BxAxGサウンドにちゃんと活かされてるわけですね。

NAOIうん。だから、うちのドラムはパンクな感じのドラムを叩くと思ってるんで、別に優しい曲でも、「そっちに寄らなくていいよ」「E-HARAのままで、タイトに叩いてくれればいいよ」っていう。

E-HARAガツガツ叩いてます(笑)。

NAOI別にそれは妥協してるわけでもなくて、それをみんな各々の楽器で、自分が持ってるものの中でやってる感じですね。僕は全部のパートの間にいる人間だと思ってるんで、音とかフレーズを聴かしてもらったりして――まあ、隙間を突いていくっていう。BxAxGって、やっぱりキーワードは隙間なんだよね。絶妙な隙間を縫っていくっていうね(笑)。

── バンドの舵取りは、リーダーのNAOIさんがプロデューサー的な立ち位置でやっている感じ?

NAOI一応そう、だよね。

5人(うなずく)

NAOI曲とは別の話になっちゃうんですけど、Kazukiが入ってきた時に――普通の髪型してたんですけど、「モヒっちゃいなよ!」って(笑)。緑のモヒカンにしたほうがいいよ、って言って。

Kazukiひどいんですよ。「モヒカンにしたほうがいいよ」って言われてモヒカンにしたら、「見して」って言われたんで撮って送ったら「キモい!」って言われて。そんなことある? これ当分直せないよ!っていうまま、もう2〜3年きました(笑)。

NAOI(笑)。なるべくね、キャラクターも含めて伝わりやすいようにっていう。こいつのキャラクター的には、たぶんそういうふうにしたほうがよりわかりやすいよ、っていうのを、曲も含めてアシストする立場かな、っていうふうには思ってるんですけど。「NAOIバンド」ではないんで。目指してるのはロクレンジャーなんで。6人の個性があって、たまたま俺が赤を着させてもらってるっていう感じなんで。ひとりひとりの個性を、音の面でも曲の面でも、見え方もわかりやすいほうがいいのかなあって……何にしても、理由はちゃんと言うようにしてるよね?

Kazuki理由は言うね。でも、「キモい」って言われたのは許されない!(笑)。

── (笑)。でも、そういうリーダー・NAOIさんのプロデュース能力に信頼を寄せているからこそ、若干の無茶振りがありつつも舵取りを委ねてるんだろうと思うんですけど。

E-HARAばっちりです。最高です。

5人(笑)。

E-HARA前にNHKの、NAOIが出たドキュメンタリーの番組(『U-29』)で「NAOIさんって、E-HARAさんにとってどんな人物ですか?」って訊かれた時に、テンパって――実際そうなんですけど――「親父みたいな感じですかね」って言ったんですけど(笑)。親父っていうか、大黒柱なんで。プロデューサーっていうか、リーダー、まとめ役なんで。任せてやってます。

KOZI_LAW僕は一番最後にBxAxGに入ったメンバーなんですけど。入る前に客観的にバンドを見てる時期もあって。そこから考えると、NAOIが一番バンドのことを考えてるし、費やしてる時間も労力も大きいし。そう考えると――本人は「NAOIバンドじゃない」って言ってたけど、「NAOIバンドでいいんじゃねえかな」って俺は思ってます。

5人(笑)。

KOZI_LAW確かに、NAOIは自分が決めたことに対して、ちゃんと俺らに理由を話してくれるし。そこに関して俺らが「それってどうなの?」って思うことがあっても、その答えとしてさらに4個先ぐらいまでのことを言ってくるから。そこまで考えられてない俺らからしたら、「きっと何か考えがあるに違いない!」って(笑)。NAOIが作ってきた曲も、みんなジャンルとかルーツが違うから、「すごい好きだ!」っていう曲じゃないことがあるかもしれないけど……極端な話、どんな曲を作ってきても、「NAOIくんが歌いたいんだったら、俺たちは演奏するし」っていう。それはもう僕が入る前から、そういうBxAxGの中の絆みたいなものが見えてたんで、「いいなあ」と思って加入したっていうところもありますね。

BxAxG

どんな曲調でも、「歌詞が鳴るメロディ」っていうのは意識して作っているんですけど、それはすごい大事だよね(NAOI)

── HIROさんはどうですか? 2MCの相棒として。

HIRO(Vo)まあ、もう10何年やってるんでね――。

NAOI前身バンドから12年ツインヴォーカルやってるんで(笑)。もう、たぶん違う領域に入ってると思うんですよね。

HIRO何も言うことはないです。逆にね(笑)。「俺はついていくぜ!」とかみんな言ってますけど――俺はもう、これが自然です。

── (笑)。「楽しく能天気にやってればいい」っていうわけでもなくて、楽しくやっていくことをすごく建設的に考えている――っていうBxAxGの在り方は、今回の楽曲からもはっきり伝わってきますしね。

Kazukiまあ、やっぱりメロディですよね。メロディがいいからだと思うんですよね。

NAOIメロディと、あとは歌詞がやっぱり――楽しい言葉にしても、楽しいメロディにしても、歌詞とメロディがリンクしないと伝わりづらいかなあって。たとえば「バカ」っていう言葉に対して、どのメロディが一番バカらしいのか、どのコード進行がバカなのか、そこがリンクして初めて「この曲すごいバカだね」になれたりするから。どんな曲調でも、「歌詞が鳴るメロディ」っていうのは意識して作ってるんですけど。それはすごい大事だよね。

── バカな曲をバカに鳴らすために全身全霊を傾ける、っていう構図はすごいですよね。

NAOI真面目なんですよね。真面目な人じゃないと、たぶん「バカになろうぜ」って言えないなあと思うんですよね(笑)。聴いてくれる人もそういう人ばっかりだと思うから、「ライヴハウスに来た時ぐらいはバカになってもいいんじゃねえの? 俺らもさ……」みたいな。俺らはずっとバカやっていたいから、ずっと音楽やっていくからって。俺らはバカ代表としてやっていくから、みんな各々の仕事を頑張りながら、たまにライヴに遊びに来なよ、っていうニュアンスなんですよね。

Kazuki真面目にバカについて考えてるね(笑)。

NAOIバカ教科書みたいなものがあるとしたら、その教科書を書いてる人はバカじゃない人だろうし。かと言って、バカを知ってる人じゃないと教科書は書けないから――って言いながら、人様にしゃべれないようなバカなことをいっぱいしてきたんで、昔の産物として(笑)。

── その「誠実にバカを引き受ける」っていう姿勢が、茨城のJ2チーム「水戸ホーリーホック」の公式応援ソング“スーパースター”をはじめとする地元・茨城での異常な愛され方にもつながっているのかもしれないし――っていうか、すごいですよね、このフィーチャーされっぷりは。

NAOIそうっすねえ(笑)。偉い方も含めて、話す人話す人、みんなちゃんとバカをできる真面目な人なんですよね。お固い感じじゃなくて、世の中を知ってるし、俺らみたいなもんの話もちゃんと聴いてくれたりとか、「面白そうじゃん」って力貸してくれたりとか……茨城だからなのかわからないですけど、基本的には俺らみたいなノリが合う町だよね。曲聴く前に話して、「人として面白そうじゃん。じゃあ聴かしてよ」っていう人が多いから……面白いですよね。何なんでしょうね? あの茨城の感じは(笑)。

── こうして話を聞いてると、すでにBxAxGは故郷に錦飾ってる感じはありますけどね。

NAOIいやあ、でもこれからっすよ。俺、最終的な目標は、大洗町で何かできたらいいなと思って。まあ、フェスなのか何なのかまだわかんないですけど、もっともっと文化が発生してほしいのと……あとは水戸でも、ケーズデンキスタジアムで、たとえば単独公演とかできるようになりてえなあとか思ってるし。もっともっと貢献していけたらと思ってますね。やりたいよね?

Kazukiやりてえなあ……。

NAOIもう何回か、サッカーの試合前とかにやらしてもらってるんですけど。あそこに、俺らだけを観に来た人がパンパンに入ったら、ヤバいぞ?

E-HARA浮かれますね。

Kazukiたぶん、すっげえ浮かれるぞ?(笑)。

E-HARAちょっと浮くぐらいと思います、ドラえもんみたいに(笑)。

BxAxG

提供:CJビクターエンタテインメント

企画・制作:RO69編集部

↑TOPに戻る

公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on