いよいよ彼らの番だ

トゥー・ギャランツ『ザ・ブルーム・アンド・ザ・ブライト』
2012年10月17日発売
ALBUM
トゥー・ギャランツ ザ・ブルーム・アンド・ザ・ブライト
サドル・クリークのラインナップの中では、そのバガボンドっぽい佇まいがやや浮き気味だったやさぐれフォーク・ガレージのトゥー・ギャランツ。本作はATOレーベル移籍第一弾である。よりメインストリームでありながらも、マイ・モーニング・ジャケットやアラバマ・シェイクスなど、アメリカン・ルーツ・ミュージックの影響を隠すことなく、シーンの最先端で類のないロックをマイペースに鳴らすバンドが在籍しているレーベルだけあって、彼らにとってはピッタシと言えるだろう。

音楽性はまるで違うが、ホワイト・ストライプスと同様に、2人というバンドに必要な最低限のメンバーの可能性を探ってきた彼らだが、今作におけるそのスケールは圧倒的。アメリカーナなとこはより壮大に、リリカルなとこはより深遠に、パンキッシュなとこはより過激に、ポップなとこはより大衆的に、すべての面が立体的に広がっている感じなのだ。ブラック・キーズの大成功という例もあるわけで、「もしかして?」と嬉しくなる傑作である。ただ、不良なところもより乱暴になっていて(これはいいことだが)、それが仇にならければいいと思う。(内田亮)
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