4人での再結成から4年、遂にロビー・ウィリアムスも再加入した15年ぶりのオリジナル・テイク・ザットが還ってきた。テイク・ザットにおけるロビーは歌唱の中心人物でもステージのセンターに立つ人でも正直なかったけれど、良い子ちゃん集団におけるバッド・ボーイ的スパイスとして一番キャラ立ちしていた人でもあった。だからこそテイク・ザットはロビー抜きで一度目の再結成を理屈的に成立させることができたし、逆に言えばだからこそ一度目の再結成はどうしたってピリッとしない不完全なものだったのだ。
再び5人となった本作に満ちた完全体のハーモニー、そして品良く順当に歳を重ねた4人にギラついたショウビズの迫力を醸し出すロビーが寄りそう彼らの現在形を目の当たりにするにつけ、この音楽的調和とキャラ的凸凹のアンバランスこそがテイク・ザットというアイコンの奇跡だったことを再確認せずにはいられない。90年代前半のテイク・ザットが築いた莫大な遺産と、00年代前半にロビーが独りで勝ち取ってきたポピュラリティが足し算ではなく掛け算で繋がれていく、正しき再集結の方程式の産物。ライブ観たい!(粉川しの)
ペンタグラム再び!
テイク・ザット『プログレス』
2010年12月01日発売
2010年12月01日発売
ALBUM