グッド・ドッグになってからの門田の、この限定会員制的なやり方は確信犯的である。世界観を提示して、その世界観の中だけで物語を完結させ、その物語に主体的に関わろうとする者だけに物語の続きを語って聞かせるというある種閉鎖的なやり方。その分、音楽的な意匠や世界観のディテールは緻密になり、コミュニケーションの純度は限りなく高まっていく。外の空気に晒されることなく、もう一つの世界が完璧に出来上がる。
時には血を流し、時には悪態をつき、泣いたり笑ったりして、僕たちは遊び続ける。現実だろうが音楽だろうが、僕たちはただ遊んでいるのだ。(山崎洋一郎)