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奔放かつ緻密なリズムチェンジを伴いながら展開するサウンド、そしてその上で面白いように転がる歌声。なんと中毒性の高い楽曲か。TVアニメ『薬屋のひとりごと』第2期第2クールのオープニングテーマとなったこの曲。タイトルは「薬」の語源である「奇し(くすし)」という古語から引かれている。薬は人を助くものであり、時に毒にもなるもの。「愛」もまたしかり。誰かを照らし癒やすものでありながら時に誰かを傷つける。《愛してるとごめんねの差って/まるで月と太陽ね》という歌詞が、表裏にして不可分な感情を描き出すように響き、まさに奇しき「愛」を描く。さりげなく踏む韻の中に「アイ」を隠しながら、痛みとともにある「今世」を見つめる眼差しはまぎれもなくMrs. GREEN APPLEの音楽の根幹をなすもの。ラストはカチャーシーを思わせる「結」のイメージで、「来世」へと続く悠久の時を感じさせる。消えない「愛」をポジティブに描くこのアウトロにも嘆息。ミセスだからこそ表現し得る壮大にして繊細なラブソングだ。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年6月号より)
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