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数々のミュージシャンが、いろいろな言葉で表現してきた「I LOVE YOU」。おいしくるメロンパンにおいては《醒めないで》が、そのひとつに当たるのではないかと思うのだ。果たしてそれが「僕を好きな状態から醒めないで」という君への想いなのか、「これが夢なら醒めないで」という僕の願いなのかは、わからないが。“look at the sea”では、今この瞬間を見つめて《醒めないでいてね》と紡いでいたが、今作では《千年後の僕》や《千人目の僕》などと表される長い時間で《醒めないでいて》と乞い、生まれ変わっても《愛してくれる?》と問うのである。輪廻転生を繰り返し、お互いの姿・形が変わっても何度だって巡り合い、どの人生でも愛を信じ抜くとは、なんて美しくロマンティックなことか。音にも物語は宿され、2サビ終わりとラスサビ前に入るセッションは、まるで新しい命への転生を前にゲノムが組み変わっていく様を映し出しているよう。《無数の花弁が散る》のフレーズで、命の終わりと始まりを描いているのも印象的だ。(坂井彩花)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年3月号より)
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