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マイヘアのニューアルバムと同時に、事前情報ゼロで突然店頭に並んだ、椎木知仁のミニアルバム。ソロは3作目で9年ぶり、前2作と同じく8曲すべてギター1本弾き語りである。ごく私的で個人的なことばかりを歌っているマイヘアの曲は、あれでも全然「バンド向け」なんだな、確かにひとりで弾き語りで歌ったほうが届くわ、という曲が並んでいる、この作品には（過去のソロも）。マイヘアでやってもいいかも、あのバンドサウンドで鳴っているところがなんとなく想像できるかも、と思える曲は“秘密はすごい”ぐらいで、他の7曲は見事にそうだ。ソロ用に普段から曲を作り分けているのではなくて、バンドに合わない曲ができてしまった、でも捨てるのは惜しいいい曲なので、じゃあソロかな、ただしそういう曲がそうしょっちゅうできるわけではないので、9年ぶりになりました。という、健全なソロなのだと思う、きっと。メロディに乗った言葉を耳から入れるだけでなく、文字として歌詞を読むとさらに味わい豊かになる作品。（兵庫慎司）（『ROCKIN'ON JAPAN』2024年10月号より抜粋）
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