子供であり続ける気もないが、大人にはなれそうにもない――そんな「生」における歪で真っ当な皮膚感覚が、この映秀。の2ndアルバムには深く刻まれている。高野勲やKan Sano、小西遼(CRCK/LCKS)なども参加して作られたサウンドは多彩だが、映秀。のしなやかな歌声と詩情がアルバムに統一感とリアルな身体性を持たせている。彼の歌は、夜中の友人のように親密に語りかける。
結局、誰もが子供にも大人にもなりきれずに生きていく。それなら、本作に刻まれた痛切な弱さと悲しさを忘れたくない。忘れない――そう願うだけで越えられる夜もたしかにあるから。(天野史彬)