胸の奥にしまいこんでいた願望が出会いによって掘り起こされる様を描いているこの曲は、FODで配信されているドラマ『ギヴン』の主題歌。蓋をしていた気持ちに向き合う時の、恐る恐るかさぶたを剥がすかのような痛痒い感覚、急激な重力変動のような酩酊感――このようなイメージが80年代頃のUKロック、ニューウェイブに通ずるカッチリとしたノリのリズム、クリーントーンのギターが醸し出す浮遊感によっても表現されている。ヒップホップ的な要素も積極的に取り入れつつ進化してきたこのバンドだが、音楽的ルーツであるギターロックに焦点を絞って制作されていたのが前作のEP『Rolling』だった。引き続き
石毛輝(
the telephones/
Yap!!!)をプロデューサーに迎えた今作は続編的な位置づけということになるのだろうが、描かれている心情は彼らの現在の姿そのものでもあるのだと思う。「前に進みたい」「自分たちの音とはなんなのか?」と懸命にもがく様も伝わってくるこの曲は、漠然と流されるままに生きてしまいそうになっている人の心にも意義深い一撃を喰らわすことができるはずだ。(田中大)
『ROCKIN'ON JAPAN』9月号より