いつの間にかの5作目のアルバム。四つ打ちのドラム・ビートでディスコティックな狂騒を生み出すリード曲の“ダンス・ウィズ・サムバディ”、ポスト・パンク・テイストの“ギヴ・ミー・ファイア”、ブラック・サバスとクラウス・シュルツを真正面からぶつけたような“ユー・ゴット・ナッシング・オン・ミー”など、曲調はかなりバラエティに富んでいる。そして、そのことが逆に、マンドゥ・ディアオとは何であるか――ということを証明している。グスタフとビョルン2人に共通する独特のコブシの効いた歌い回しがあれば、全てマンドゥ節に聴こえるのだ。なかでも「♪ウッ ハッ!」とジンギスカンみたいな掛け声が入る“グロリア”や、大仰でドラマティックなラスト・チューン“ザ・シャイニング”など、やたら時代がかった曲がいい。古臭さが一周して唯我独尊の持ち味になっている。(柴那典)
コブシのロックンロール
マンドゥ・ディアオ『ギヴ・ミー・ファイア』
2009年03月04日発売
2009年03月04日発売
ALBUM
いつの間にかの5作目のアルバム。四つ打ちのドラム・ビートでディスコティックな狂騒を生み出すリード曲の“ダンス・ウィズ・サムバディ”、ポスト・パンク・テイストの“ギヴ・ミー・ファイア”、ブラック・サバスとクラウス・シュルツを真正面からぶつけたような“ユー・ゴット・ナッシング・オン・ミー”など、曲調はかなりバラエティに富んでいる。そして、そのことが逆に、マンドゥ・ディアオとは何であるか――ということを証明している。グスタフとビョルン2人に共通する独特のコブシの効いた歌い回しがあれば、全てマンドゥ節に聴こえるのだ。なかでも「♪ウッ ハッ!」とジンギスカンみたいな掛け声が入る“グロリア”や、大仰でドラマティックなラスト・チューン“ザ・シャイニング”など、やたら時代がかった曲がいい。古臭さが一周して唯我独尊の持ち味になっている。(柴那典)