隙のないMCとネタのてんこ盛り
ピットブル『クライメート・チェンジ』
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ALBUM
14年のFIFAワールドカップ開会式出演と『グローバリゼーション』リリース以降、次回作をほのめかしてきたピットブルの3年ぶりの新アルバム。15年にリリースされたシングル“フリーク”は前作までのエレクトロ・ポップとダンスホールが混在するマイアミ・ヒップホップを順当に踏襲するのかと思わせる内容だったが、その後リリースしたスペイン語アルバム『ダーレ』が大好評でグラミー賞も受賞したことから、さらにラティーノ路線も盛り込んできている。というわけで第1弾シングル“メッシン・アラウンド”はスペイン語圏最強スター、エンリケ・イグレシアスとの共演というあまりにもわかりやすい路線で、音はREOスピードワゴンの大ヒット曲“テイク・イット・オン・ザ・ラン”使いという驚異の大ネタ。オールドスクールなベースと隙のないMCで自身の魅力をみせつける“グリーンライトfeat.フロー・ライダー&ランチマネー・ルイス~俺らはいつでも青信号~”など聴きどころは多いし、ザ・ローリング・ストーンズの60年代のB面曲“アイム・フリー”をネタにするというとんでもない思いつきの“フリーダム”もある。しかも、原曲よりかっこいいエレファンクになっていて畏れ入った。(高見展)