切り開いたネクスト・ポジション

チープ・トリック『バン・ズーム・クレイジー・ハロー』
発売中
ALBUM
チープ・トリック バン・ズーム・クレイジー・ハロー
デイヴ・グロール製作の『サウンド・シティ-リアル・トゥ・リール』と『ソニック・ハイウェイズ』の両方にリック・ニールセンが出演し、バッチリ演奏する姿を見せていたこともあり、そんなにご無沙汰な気がしなかったのだが、いつの間にか前作『ザ・レイテスト』から7年も経っていた。この間、オリジナル・ドラマーだったバン・E・カルロスの処遇を巡って色々あったことが影響したのだろう。ともかくカルロスの後任にリックの実子ダックス・ニールセンを配した編成での初アルバムがここに完成。これがもう1曲目の“ハート・オン・ザ・ライン”から、ズギューン、バリバリッと盛り上がる。前々作・前作でも若さを保っている印象は受けたが、今作は明瞭にリフレッシュした様子が伝わってくるのだ。

ロックの殿堂入りも果たし、本作はテイラー・スウィフトも所属するビッグ・マシーンというレーベルと新たな契約を得てのリリースとなる状況を考えても、どうやら現在の彼らは新たなピークを迎えつつある。いよいよ来年にはデビュー40年のチープ・トリックが、ここにきて素晴らしい新作を届けてくれたことを、まずは心から喜びたい。(鈴木喜之)
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