2月10日リリースのヨ・ラ・テンゴ16作目、『ディス・ステューピッド・ワールド』。
セルフプロデュースによる極めて緻密なアレンジ、そして演奏が収められた本作を聴いて改めて痛感したのは、長きにわたる充実したキャリアを有するベテランながら、作品ごとに通底したテーマやムードを宿したハイクオリティなアルバムを、途切れることなく定期的にリリースし続けていることの凄味であった。
そんな彼らにとって、「アルバム」という形式が今なお重要であるのかどうか、話を聞いたアイラ・カプランは熱くも自然体の言葉を返してくれた。ヨ・ラ・テンゴはやはり、信頼に足るバンドである。
また、本誌には掲載できなかったが、アルバムへの意識を質す前段にストリーミングを利用することはあるのか聞いてみたところ、そもそもバンドのスマートフォン保有者は、ジェイムズ・マクニューのみ、ジョージア・ハブレイはガラケー、アイラは携帯電話自体持っていないため、サービスの利用条件すら満たしていないとの回答があり、あまりの「ヨ・ラ・テンゴっぽさ」に微笑ましくなった。(長瀬昇)
ヨ・ラ・テンゴのインタビューは3月7日(火)発売のロッキング・オン4月号に掲載されます。