ソロ作品を制作中であることが判明。アークティック・モンキーズのマット・ヘルダースが、ソロ活動に向いているいくつかの理由

ソロ作品を制作中であることが判明。アークティック・モンキーズのマット・ヘルダースが、ソロ活動に向いているいくつかの理由 - Photo by Zackery MichaelPhoto by Zackery Michael

アークティック・モンキーズのドラマー、マット・ヘルダースが、ソロ作を作り始めているというニュースが今週飛び込んできた。

驚きよりも、「たしかに次にソロをやるとしたらマットだよね」と納得した人のほうが多いんじゃないだろうか。現在ソロ活動をしているのはご存知の通りアレックス(ザ・ラスト・シャドウ・パペッツ、『サブマリン』サントラ)だけだが、アレックスに次いでグループ外での活動をちょこちょこ行ってきたのがマットだったからだ。イギー・ポップの『ポスト・ポップ・ディプレッション』やレディー・ガガの『ジョアン』に参加したり、DJミックス・アルバムを出したり、はたまた自身のアパレル・ラインを始めたり。マットはポジション的に、4人の中で最も身軽に自身のクリエイティヴィティを分散できる人だとも言える。

例えば、ギターのジェイミーのクリエイティヴィティはより密接にアークティックと結びついたものだ。『トランクイリティ・ベース・ホテル・アンド・カジノ』のデモをホームスタジオに一人閉じこもって作り上げたアレックスが、「アークティックのアルバムとして相応しくないかも……」と不安になって助言を求めたのがジェイミーだったように、彼は言わばアークティックの「基準」を担うメンバー。また、ベースのニックはオリジナル・メンバーではなかったという点で少々控えめなポジショニングで、ソロは想像しづらいメンバーだ。

対するマットは、もともとストーナー・ロックやヒップホップが大好きで、ドラマーらしいアプローチでアークティックの「逸脱」に寄与してきたメンバー。そんなマットがソロをやるとしたら独自性がちゃんと音に宿ったものになるはずだし、「自分のスタイルはだいたい出来上がっている」と彼も語っている。アレックスの合いの手担当、もといコーラスをメインで担ってきたマットは、ボーカルに対するハードルが低いのもソロに向いている理由のひとつだろう。一方で、彼自身も認めているようにマットの書いた歌詞は現時点で全く想像できない。

マットのソロ始動が直接アルバムに結びつくのか否かはまだわからないけれど、『トランクイリティ〜』によってアークティックが大きな転換点を迎えた今は絶好のタイミングなんじゃないだろうか。(粉川しの)



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