これは新時代のポップアートなのか? Ye新作『BULLY』、ついにリリース

これは新時代のポップアートなのか? Ye新作『BULLY』、ついにリリース - rockin'on 2026年5月号 中面rockin'on 2026年5月号 中面

ついにYe(カニエ・ウェスト)の『BULLY』が届いた。3月27日、遅れに遅れた完成版がリリースされた。

経緯を振り返っておこう。24年9月28日に中国:海口のリスニングパーティーにて初めてリリースが公表された。この場で新曲“Beauty And The Beast”が披露され、大きな注目を集めた。25年3月には未完成版を複数バージョンで突如公開し、同作がなお制作途中にあることを示す。さらに同年6月には関連曲をEPとして配信。断続的に話題が続いた。

一方で発売日はたびたび延期され、25年内の複数日程や26年1月案を経て、同月末には配給面でgamma.との連携も報じられた。最終的に26年3月、米各地のビルボード告知などを通じて3月27日発売が改めて打ち出され、長い遅延を経てのいよいよのリリースとなった。

昨年、日本ではトラヴィス・スコットのベルーナドーム公演に突如出演し、大熱狂を巻き起こしたYe。もしかしたら、今こそがYeの時代なのかもしれない。
有名曲の大胆なサンプリング、自らの名前とイメージを拡散していく広告的センス、ファッションと音楽を巻き込んで拡大するクリエイション。そうした彼の特徴は、「ポップアート」と呼ぶに相応しい。そして今こそはポップアートの時代である。チャーリーxcxの『ブラット』にせよ、映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』にせよ、欧米圏でブレイクして時代を築いた作品では、表現と広告が密接な関係を有していた。日本のポップミュージシャンの表現にも、同様の特徴がある。そして、サウンドのテクスチャーに強度があるほど、作品とアーティストは広がりを持つ。

はたして『BULLY』は、Yeしか出せないテクスチャーのなかで、森山大道によるジャケット鮮烈な写真のイメージと共に現れる。ミニマルで、長くない曲が続く中、充実した感覚が聴いた後に残る。『BULLY』とは果たして何なのか。それは、3月27日以降、どのように『BULLY』のイメージが増殖していくかのポップアート的効果によって変わっていくだろう。(伏見瞬)




Yeの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』5月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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