クラウドラップ、レイジ、EDM、ハイパーポップ、エレクトロクラッシュなど、過激なデジタルサウンドの系譜を受け継ぎながらも、“ノリやすさ”を巧みに融合。デジタルネイティブ世代の価値観を体現するようなサウンドと、端正なルックスで魅せるカリスマ性で、次世代のライジングスターとして一気に注目を集めている。そんな2hollisの、約半年ぶりとなる単独公演がSummer Sonic Extraで実現。昨夜、その記念すべきステージを観てきた。
冒頭を飾ったのは、最新アルバム『star』のオープニングトラック “flash”。2010年代EDMを土台に、最新のデジタルコア要素を散りばめたインストゥルメンタルに、若きスターとしての希望と不安が交錯するようなボーカルが重なる、ポップでエモーショナルな楽曲だ。そんな自身の内面を歌う楽曲に合わせて、ステージ上を激しく舞う2hollisの姿は神々しさすら感じさせ、一曲目からフロアの熱気は一気に最高潮へ。筆者は2階席から観ていたが、フロアを埋め尽くす観客のうねりとスマートフォンの光が、まるで演出の一部であるかのような神秘的な光景が広がっていた。
序盤から熱気渦巻く展開の中、4曲目に披露された “trauma” のパフォーマンスには息を飲んだ。鍛え上げられた肉体をさらけ出し、自身のテンションにも火がついた2hollisが放つ、クラウドラップとデジタルコアの融合はまさに彼のサウンドの真髄。そのドロップの瞬間、会場のボルテージは凄まじく、サークルモッシュが巻き起こるほどの盛り上がりを見せた。
その後も、アップテンポなハイパーポップ・チューン “two bad” や、スクリレックスを彷彿とさせるダンストラック “3” を立て続けに展開。渋谷O-EASTの客席に、絶え間なく熱を注ぎ続けた。そしてこの夜のクライマックスは、盟友Concealが登場した “Are U Alone” と “jeans”。特に “jeans” は、Spotifyでの再生回数2500万回を超える代表曲ということもあり、観客の熱気とシンクロした圧巻のフィナーレで幕を閉じた。
約60分間のステージ中、舞台セットも小道具も一切なしというミニマルな演出の中、2hollisはただ自身の身体と光だけで空間を支配していた。その飾り気のないパフォーマンスからも彼のスター性は滲み出ていた。2hollisという存在が、シーンの“次”を象徴するアーティストであることを強く印象づけた一夜だった。(北川裕也)