現在発売中のロッキング・オン2月号では、モリッシーの来日ライブレポートを掲載しています。
以下、本記事の冒頭部分より。
文=高見展
実に7年ぶりのモリッシーのライブ、それも今回はこれ一回限りである。モリッシーは現在、新作アルバムが2枚も棚上げになっている状態で、気鋭のプロデューサー、アンドリュー・ワットを起用し、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーやチャド・スミス、元チリ・ペッパーズのジョシュ・クリングホッファー、さらにイギー・ポップらが参加した『Bonfire of Teenagers』、また、3月までのバンドメンバーで制作した『Without Music the World Dies』の2作の行方がわからなくなっている状態だ。
目下のところ、どこともレーベル契約が実現していないせいだが、『Bonfire of Teenagers』などはタイトルも「ティーンエイジャーを燃やした篝火」という強烈なものになっているだけに、ぜひ早く聴いてみたい。いずれにしても、7年ぶりのモリッシーはメンバーを若干入れ替えたバンドを従えた、いつもの彼で、レーベル不在なぞどこ吹く風という存在感とパフォーマンスをみせつけてくれた。
というわけで、セットは極めて王道な、文句なしのヒット曲と名曲街道をひた走る、モリッシーのセットになった。オープナーは92年の『ユア・アーセナル』からの“ウィ・ヘイト・イット・ホエン・アワ・フレンズ・ビカム・サクセスフル”で、このアルバムも、この曲も、その後のモリッシーのソロとしてのライブやバンド活動と創作やレコーディングの方向性を示した、あまりにも重要な作品。
特にこの曲では、誰しもが心に抱える悪意を面白おかしく歌い上げるものになっていて、モリッシーの毒とおかしみが炸裂している。特に自虐的に《おかしすぎるよね》と歌うくだりの後に「あっはは、はは」というフレーズがひたすら続く、おかしくも空恐ろしくもなる展開はモリッシーならではのもので、ライブで観るとなおさら強烈だし、これがいきなりオープナーとはまたすごい。(以下、本誌記事へ続く)
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