ロッキング・オン6月号の特集が究極のロック・ギタリストですが、昨今のUSインディー・シーンを代表するギター・ヒーローと言えば、セイント・ヴィンセント。自分のシグニチャー・ギターまで作ってるくらいオタク。前作のツアーでも色んな色のギターを作って弾きまくってた。
とりわけ昨今のUSインディー・シーンでは女性ギタリストの方がカッコ良いし多いと思うので、セイント・ヴィンセントの影響もあるのでは?と思い訊いてみたんだけど、その答えは。
「私は単なるギター・ナードでギターを弾きたいだけ」と、めちゃ照れて答えたのが印象的だった。
だけど女性のギタリストが活躍して、自分が目標となる人を実際に目で見るのは大事かもとも。
「私が子供の頃もロック・シーンには女性はいたし、ヒーローと思える人もいたけど、でも私にとってのギター・ヒーローって…….そもそも私がギターを弾き始めて、音楽を作り始めたのは、カート・コバーンになりたかったからだから」と言ったのでグッときた。彼女が子供の頃どんな部屋に住んでいたか分からないけど、部屋でひたすらギターを弾く姿が目に浮かぶくらいだった。
そう考えると、2014年にニルヴァーナがロック殿堂入りした時に、ニルヴァーナと共演したのはさぞかし感慨深かったはず。まだ映像があった。
掲載はされてないけど、その時のことについても訊いたら「あまりに非現実的で今でも信じられない」と答えていた。
彼女は、アーティストにも尊敬される存在だからだと思うけど、ヒーローと言える人たちと次々に共演している。デヴィッド・バーンとアルバムを作り、ツアーも一緒にしたし、ナイン・インチ・ネイルズが殿堂入りした際も、NINの楽曲をカバーしていたし、グラミー賞ではプリンスのトリビュートにも出演していた(一番上の写真)。
ポール・マッカートニーの最新プロジェクト『McCartney III Imagined』にも参加。ポール・マッカートニーから電話がかかってきた時のことを、昨日のことのように感動して語ってくれた。
ぜひ掲載号を見てみてくださーい。
https://rockinon.com/news/detail/198861
こちら最新ビデオ“Down”
お父さんが刑務所から出所したことをきっかけに作り始めた今作の全編を、「カサヴェテスの映画を観ているようなサウンドにしたかった」と言っていたのも印象的だった。実際、それぞれの曲に登場するキャラがものすごく立っている。痛いんだけど愛せずにいられないのだ。
今作はスティーヴィー・ワンダーに影響を受けシンセサイザーが多用されているのだけど、「ギターをシンセサイザーのような音で鳴らすのに1年費やした」と言っていたのがさすがギター・ナードだった。
セイント・ヴィンセントのインタビューは、『ロッキング・オン』6月号に掲載中。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。