来日直前ジャック・ホワイトがニール・ヤングをカバー、ニルヴァーナ再び復活、ポール・マッカートニー、ポール・サイモンなど超豪華面子結集。米人気番組『SNL50』のライブ映像公開

来日直前ジャック・ホワイトがニール・ヤングをカバー、ニルヴァーナ再び復活、ポール・マッカートニー、ポール・サイモンなど超豪華面子結集。米人気番組『SNL50』のライブ映像公開 - pic by DAVID JAMES SWANSONpic by DAVID JAMES SWANSON

アメリカの人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』が今年で50周年を迎え、特番、2月14日にラジオシティで特別イベント、2月16日特番が放送された。風刺コメディのみならず、もともと音楽ゲストでも人気のある番組なだけに、超豪華ゲストが結集。ポール・サイモンからポール・マッカートニー、なんとニルヴァーナの再結成を、ポスト・マローンがボーカルで行うなど、見所が満載となった。その映像が現在、次々に公開されているのでご紹介。


1)ポール・サイモンとサブリナ・カーペンターの共演。なんと50周年記念番組を幕開けしたのは、ポール・サイモンとサブリナ・カーペンターの共演で“Homeward Bound”。

面白かったのが、ポール・サイモンが、「この曲は『SNL』で、ジョージ・ハリスンと1976年に歌ったんだ」と言うと
サブリナがすかさず「私は、まだ生まれてなかったわ」と言って会場が笑い。しかも続けて
「両親も生まれてなかった」と言ったこと。
グラミー賞同様に彼女のコメディセンスが活かされてる。恐らくそれもあってトップバッターに起用されたのだと思う。
ポール・サイモンが「今日聴けることになって良かったね」と締め括ってる。


2)ポール・マッカートニーがメドレー。ポール・サイモンに始まり、ポール・マッカートニーのメドレーに終わる豪華な内容。

サー・ポールがここで演奏したのは、ザ・ビートルズの3曲のメドレー。“Golden Slumbers”, “Carry That Weight”, “The End”。

さらに、驚いたのは、この週、このテレビ出演の前に、NYのキャパ600人弱の会場で、突然ライブを3回も行ったこと!

当日に発表して、会場でチケットが発売という方法だった。私は入れなかったけど、会場前まで行ったら、あいにくの氷点下だったのに大勢の人が集まり、警察まで出動していた。これまで長年通った会場だけど、警察まで出動しているのは見たことがないかも?

3日間とも、22曲〜25曲のセットリストで、しかもほぼ全曲ザ・ビートルズ。3日間とも、アンコールでテレビ出演時の3曲を演奏していた。


3)“ポスト・ニルヴァーナ”が、パフォーマンス。


ニルヴァーナが、1月30日に開催されたLA山火事のチャリティで2014年ロック殿堂入り以来の再結成ライブを行い、みんなを驚かせたが、『SNL50』の特別コンサートにも再び登場。しかも今度は、ボーカルがなんとポスト・マローンだった! 彼は、パンデミックの際に、ニルヴァーナのカバーでチャリティで行い、それがあまりに評判が良かった。なので、今回共演というのは最高のアイディアだ。デイヴ・グロールも、その配信が素晴らしくて、たくさんの友達から携帯にメッセージが届いた、と言っていた。

見たらその映像がまだ公開されていた。
https://www.youtube.com/live/f7eaGcIyhPU?si=fvyPCX_tcgzTyHMm

しかも、なんとポスト・マローンがニルヴァーナをカバーしたトリビュートライブが、正式にライブアルバムで今年のレコードストアデイ4月12日に発売されることになった。ドラムは、トラヴィス・バーカー。

ちなみに、ニルヴァーナがサプライズで再結成したLA山火事チャリティライブの映像もまだ見られる。3時間34分くらいから。
https://www.youtube.com/live/yrEKrBs1LVQ?si=mLE_k0U0YegLqs6E
またこのニルヴァーナ初の再結成が行われた2014年ロック殿堂入り式典のライブ映像もまだ見られる。ボーカルが全て女性だったのが良かったところだ。LA山火事チャリティでは基本的にそれが再現された。

ジョーン・ジェット

キム・ゴードン

セイント・ヴィンセント

ロード

ニルヴァーナが1992年に『SNL』に出演した際の映像。多くのバンドにとっても、特別な番組。


4)来日目前のジャック・ホワイトがニール・ヤングをカバー。

これまでジャック・ホワイトがニール・ヤングの“Rockin’ in the Free World”をカバーしたのを見たことがないのでまず驚いた。調べたら、今回のツアーで、このイベントに出演する前にトロントでライブし、ライブの幕開けに1度カバーしていた。またこの日のライブには、エディ・ヴェダーも出演していて、エディがパール・ジャムでこの曲をカバーするのは500万回くらい観ている。ジャックのより荒削りで速攻なカバーが新鮮だった。

この特別ライブは、“Seven Nation Army”で締め括られたがその映像はジャックのインスタで一部見られる。

ちなみに、ジャックは、現在最新作『NO NAME』の世界ツアー真っ只中だ。ツアーに先駆けてなんと、『NO NAME LIVE EP』を発表。

各ストリーミングサイトで聴けるので必聴。
https://ffm.to/nonameliveep
私もNYのライブを先に観たけど、今回のツアーは、フェスのヘッドラインやアリーナでライブをやってきたジャックにしてはいきなりの小規模。今回のアルバムの発売の仕方も予告なしでアングラだったし、草の根で広がる手法。ツアーの始まりも、ジャック自らがバンを運転して気の向くままに車を走らせてライブをやる方式だった。その生々しさは世界ツアーでも同様で、ジャックがソロで築き上げたキャリアを自ら一度打ち壊すかのような勢いのライブになっている。最近の新大統領へのメッセージでも怒りが炸裂していたけど、それがサウンドから聴こえてくるような内容だ。

こんな小さい会場で観られる貴重な機会なので、世界ツアーのチケットは即SOLD OUTで埋め尽くされたけど、日本公演のみ、まだ残っているよう。被曝80周年の年に、広島から開始するところからも、ジャックの思いが伝わってくる。

NYではいきなり1500人規模の会場でもライブを行い、アルバムにも参加している娘さんのスカーレットがステージでベースで共演し話題となった。ジャックと元奥さんのカレン・エルソンの両方にそっくりだ。インタビューした時は、娘さんは自分で作っている曲などを聴かせてくれないのだけど、共演できて嬉しいと言っていた。



5)マイリー・サイラス、ブリタニー・ハーワード、ザ・ルーツが、“Nothing Compares 2 U”をカバー。

これは、2023年に亡くなったシネイド・オコナーを追悼してだと思う。彼女は、『SNL』には2回出演し、この曲はカバーしていないが、1992年に出演した際に、カトリック教会内で起きている少年への性的虐待に抗議してローマ法王の写真を破ったことが、大論争となった。
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